富士ゼロックスは、商業印刷機(プロダクションプリンター)の保守点検業務に、スマートグラスによる遠隔作業を取り入れた。2019年4月から東京で、2019年5月から全国で運用を開始する。難度が高い作業の保守時間を約3割短縮することを目指す。
富士ゼロックスのCE(カスタマーエンジニア)が、プロダクションプリンターを設置した客先で、スマートグラスを装着する。これにより、サポートセンターにいる技術者の支援を、遠隔でリアルタイムに受けられる(図1)。
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サポートセンターは、遠隔から保守作業の支援を行う。現場に熟練エンジニアが出向かずとも、作業を支援できる。難度が高い作業の保守時間を約3割短縮することを目指す。
ミドルウェアとして、スマートグラスを活用した遠隔作業ソフト「InfoMesh Visual Navigator」(NTTデータ ニューソン製)を導入した。スマートグラス本体にクライアントソフトを導入し、クラウド上のサーバーと連携させたことで、ハンズフリー操作を実現した。音声で操作・制御するボイスコマンドや、頭の傾きで操作・制御するジャイロマウスなどの機能を利用できる。
取り組みの背景について同社は、プロダクションプリンターは生産設備であるため、故障時にも印刷業務への影響を最小化しなければならないことを挙げる。富士ゼロックスは、プロダクションプリンターの保守において、CEの保守経験に関わらず即時に対応できるように、新たな仕組みを検討していたという。