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[データマネジメント2020]

ビッグデータ活用の“現在地”~技術とリテラシーを両輪とする4つの付加価値とは?

2020年4月7日(火)

ビッグデータ活用の必要性が強く叫ばれる一方で、多くの企業にとって、その具体的な“中身”は像を結びにくい。果たして何が、どう実現されるのか。「データマネジメント2020」のセッションでは、クリックテック・ジャパンの川畑英貴氏が、ビッグデータ活用で見込める4つの付加価値とともに、そこでのデータリテラシーの重要性について解説した。

ビッグデータ活用で今、何がどこまで可能か

 日々、生み出されるデータの増加に呼応するかたちで、企業のビッグデータ活用も加速している。では、その実践を通じて、ビジネスにどんな付加価値創出を見込めるのか。クリックテック・ジャパンのソリューション技術部でシニアソリューションアーキテクトを務める川畑英貴氏が、4つの付加価値とともに、成果をあげるための具体的な活動を紹介した。

クリックテック・ジャパン株式会社 ソリューション技術部 シニアソリューションアーキテクト 川畑英貴氏

付加価値① プロセスの最適化

 最初は、「プロセスの最適化」だ。従来から企業には多種多様なデータが少なからず存在していたが、サイロ化したシステムが大半で、データ活用による最適化の範囲は個々の業務にとどまらざるを得なかった。だが、「分析基盤の技術的な進化により、各システムのデータをより詳細かつ横串を通して把握し、全体最適の観点からプロセス全体を見直すことが可能になっています」と川畑氏は言う。

 この活動で成功を収めているのがKFC Europeだ。同社では、6つの市場、10の流通センター、300のサプライヤからデータを収集。ダッシュボードで調達、安全性、品質のKPI管理を行うことで、農場から店舗までのサプライチェーン全体における業務効率化と製品品質の向上や、リスク管理の厳格化を実現しているという。

付加価値② 事業リスクとリターンの最適化

 2つ目は、「事業リスクとリターンの最適化」だ。ここで柱となる活動は、社内外の状況をデータからいち早く察知し、自社ビジネスへの影響の見極めや、対応策の立案に役立てることだ。エネルギー会社でのグローバルKPI分析による複数プラントの生産管理や、小売業などでの履歴データと地理分析を組み合わせた需要予測による発注管理、地方自治体でのWhat-If分析による災害時リスクのモデル化などが代表的な取り組みとなる。

付加価値③ 顧客インテリジェンスの向上

 3つ目が、顧客を知り、より良い顧客体験につなげる「顧客インテリジェンスの向上」だ。顧客がいつ、どこで、どのように自社のブランドや製品、サービスに関わり、なぜ、どのように離れていったかなどを、データを基に分析して改善につなげる活動だ。

 「顧客を理解するためのデータは、スマホの広がりによりサイトのアクセス履歴や位置データなど急速に増えており、顧客ロイヤリティ、ひいては売り上げ向上の余地もそれだけ広がっています」(川畑氏)。

 この取り組みに先進的な企業として川畑氏が紹介したのがアパレルメーカーのBurtonだ。同社では、ERP、店舗管理ソフトウェア、倉庫管理システムなどの内部データ、さらにGoogleアナリティクス、Facebook、Instagramなどの外部データを、ユーザー自身で分析できる環境を整備。店舗でほぼリアルタイムに販売実績などの把握が可能になったことで、より深い洞察を得ることに成功し、意思決定の速度や精度もそれだけ向上しているという。

付加価値④ 新たなビジネス機会の獲得

 4つ目が、「今、企業が最も関心を寄せている領域」(川畑氏)である「新たなビジネス機会の獲得」だ。データの中には、いまだ顕在化していない顧客のニーズや市場の変化が隠されている。それらを分析により炙り出し、新しい製品や機能、サービスの開発につなげるのである。いち早い知見の獲得により、多大な先行者利益も見込むことも可能だ。

データアナリティクスが生み出す4つの付加価値

 「それらの支援に向け、CRMツールの中にも分析機能を実装するものが相次いでいます。CRM-serviceの『CRM-service』もその1つで、同製品はクリックテックの技術を採用することで、ビジュアルかつシームレスな分析環境を提供しています。高速さや見た目の良さ、機敏さなどで大きな支持を獲得しており、50カ国以上で2万人以上のアクティブユーザーを集めるほどです」(川畑氏)。

ビッグデータ活用の鍵を握る3つの条件

 川畑氏によると、これら4つの活動を進めるにあたっては、下記の条件が鍵を握り、クリックテックでは、それらを支援する製品やサービスを豊富に取り揃えているという。

  1. 分析に足る正確かつ最新データのユーザーへの提供
  2. あらゆるスキルレベルの従業員による自由な分析
  3. データリテラシーの向上

 そのうち、1つ目の「データ提供」のために用意されているのが、「Qlikデータ統合プラットフォーム」だ。同製品は「リアルタイムでのデータのストリーム配信」「生データからノンコーディングでDWH、DMまでの自動生成」「DMのデータのカタログ化」の3つを特長としており、その利用を通じて、データカタログを基に分析用データをユーザー自身が探し当て、分析しやすいかたちでの入手が可能となる。

 次に、「分析スキル」の問題解決で力を発揮するのが「Qlikアナリティクスプラットフォーム」だ。従来のBIツールが必要としていたデータキューブなどをわざわざ作成することなく、必要な関連データへのアクセスを可能にする「連想技術」や、新たに組み込まれた「拡張アナリティクス」「組み込みアナリティクス」などの利用を通じ、データ分析にそれほど精通していない人材でもAIの助けを借りつつ、容易にデータ分析に乗り出すことができる。

成功のカギは「社員のリテラシー向上」

 最後の「データリテラシー」の課題解消を後押しするのが、リテラシー向上のための教育やコンサルティング、24時間365日の技術的なサポートなどを包含したサービス「Data Literacy as a Service」だ。前2つの取り組みを、このサービスでいわば下支えするわけだ。

 これらの紹介後、川畑氏は企業のデータリテラシーに関して同社がアクセンチュアと共同で実施した調査結果を紹介。それによると回答者の90%がデータを資産として認識していながら、データの利活用が進んでいると答えた割合はわずか15%と、認識と行動に大きな乖離が見られた。原因とみられるデータリテラシーのレベルは特に日本で低く、インドの46%、米国の28%に対して、日本はわずか9%。

データを資産として認識している一方で、データを活用して意思決定をする従業員は少数

 この現状を踏まえ、川畑氏は最後に次のように訴えた。「データ分析の活性化に向け、データや分析の基盤も大切ですが、現場社員のデータリテラシーはそれ以上に大切です。データ活用で取り残されないためにも、その点を肝に銘じ、社員のリテラシー向上に一層注力することが、経営層には今、強く求められています」(川畑氏)。


●お問い合わせ先

クリックテック・ジャパン株式会社
URL:https://www.qlik.com/ja-jp

 

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