NTTデータは2021年5月28日、AR(拡張現実)を活用して現場作業を支援するサービスの提供を開始した。ARのソフトウェアとして米Scope ARの「WorkLink」を使う。製造業、ユーティリティー業、流通業など、現場での作業が必要となる各分野も販売する。販売目標は、2024年度末までに100社以上。
NTTデータの「WorkLink」は、AR(拡張現実)を活用して現場作業を支援できるソフトウェアである。現場作業者は、ARで実現した3Dマニュアルを用いて直感的に作業ができる。さらに、有識者による作業支援をリモートで受けられる(図1)。
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3Dマニュアルは、作業対象機器に3Dアニメーションによる作業手順を重ね合わせたマニュアルである。機器の知識がなくても、作業箇所や作業内容を直感的に理解できる。リモート支援では、有識者と作業者をリアルタイムにつなぎ、音声、映像、3Dマニュアルなどを併用して作業を支援できる。
想定するユースケースは、製造業における製造工程およびメンテナンス作業、製造業における自社製品マニュアルの3D化、電気・ガス・水道などのユーティリティ業の保守点検作業、流通業などの現場作業、などである。
NTTデータは、WorkLinkを販売するとともに、WorkLink用の3Dマニュアルを作成するサービスや、ServiceNowなどと連携させて現場作業の進捗を管理する仕組みを構築するサービスを提供する(図2)。
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3Dマニュアルは、ユーザーが保有する製品マニュアルやメンテナンス手順書を基に作成する。3D CADデータがなくても、作業対象機器をスキャンして3Dマニュアルにデータを取り込める。3Dアニメーションによる作業手順の追加なども請け負う。
NTTデータの文書読解ツールなどと連携させることによって、利用中のマニュアルからテキストデータと知識を自動で抽出する。実証では、3Dマニュアルの作成時間を最大で90%削減できたとしている。
WorkLinkと他のシステムを連携させるSIサービスも提供する。例えば、ServiceNowと連携させた場合、割り当てた現場作業のタスクに応じてWorkLink内の適切な3Dマニュアルを呼び出したり、作業者や作業に要した時間などのデータをServiceNowに蓄積して分析したりできる。