NECは2021年7月20日、顔認証によるPCへのログオンやロック解除などのセキュリティ機能をクラウドサービス型で提供する「NeoFace Monitorクラウド版」を発表し、販売を開始した。同年8月20日から提供する。価格(税別)は10人で年額3万6000円。販売目標として、今後3年間で500社10万人を掲げる。
NECの「NeoFace Monitor」は、PCのログイン認証などに利用する顔認証ソフトウェアである。Windowsやアプリケーションへのログイン認証において、本人認証手段として顔認証を利用し、ID/パスワードの入力の手間を省きながら、PCの起動/ログインからログアウトまでのセキュリティを確保する。
今回、「NeoFace Monitorクラウド版」の販売を開始した。顔情報などをクラウド上で管理することで、サーバー機の購入や構築、運用などが不要である。導入を容易にするため、1カ月間の無料トライアルも用意した(図1)。
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NECによる試算では、100人で5年間運用した場合、パッケージ版(サーバー機の購入費用や保守費用を含む)と比べて費用を約54%削減する。具体的には、パッケージ版で398万5600円かかるところを180万円で済む。3年間では343万5300円が108万円で約69%削減、1年間では297万5300円を36万円で約88%削減する計算である。
パッケージ版と同様にマスク着用時の認証精度を高めているほか、離席時の不正利用を抑止する常時認証機能が備わる。また、クラウド版だけが備える機能として、他のクラウドサービスへのSSO(シングルサインオン)ログインをサポートする。
SSOでログイン可能なクラウドサービスとしてNECは、Google Workspaceやcybozu.comなどを挙げている。WindowsにAzure ADを登録すればMicrosoft 365もID/パスワードを入力せずに利用できる。今後は、SAML連携による他のクラウドサービスへのSSOログインもサポートする予定である。
クラウド版投入の背景としてNECは、テレワークの増加に伴い、社外でのPC利用時のセキュリティ意識が高まっている状況を挙げる。セキュリティを高めつつ、サービスごとに異なるパスワード入力などを減らしたいというニーズが顕在化しているという。