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キヤノン、複合現実ヘッドマウントディスプレイに広視野角モデル「MREAL X1」、現場での作業性を向上
2022年4月21日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
キヤノン、キヤノンマーケティングジャパン、キヤノンITソリューションズの3社は2022年4月21日、MR(Mixed Reality:複合現実)システム「MREAL(エムリアル)」シリーズの新製品として、広視野角ヘッドマウントディスプレイ「MREAL X1」を発表した。現行モデル「MREAL S1」よりも広い視野で映像が見られる。低価格なMREAL S1と、広視野角のMREAL X1という2機種のラインアップが揃った。MREAL X1は、2022年6月上旬に販売する。販売目標は、MREALシリーズ全体で、日本国内で2025年までに年間1000台以上。
キヤノンの「MREAL」は、現実映像とCGをリアルタイムに融合するMR(Mixed Reality:複合現実感)システムである。動きながらMR映像を閲覧するためのヘッドマウントディスプレイ、基盤ソフトウェア、MRアプリケーションなどで構成する。MRは、自動車メーカーなどの製造業において、デザインや設計データの試作回数を減らす業務支援ツールとして活用が進んでいる(画面1、関連記事:キヤノンITS、MRシステム基盤「MREAL Platform」新版、位置合わせ性能の向上など)。
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水平58度×垂直60度の広視野角で作業性を向上
今回、MR映像を映すヘッドマウントディスプレイに、広視野角の新機種「MREAL X1」を追加した。既存機種「MREAL S1」の視野角が水平45度×垂直34度の横長(およそ4:3)であるのに対して、MREAL X1の視野角は水平58度×垂直60度の縦長(およそ1:1)であり、表示面積を約2.5倍に拡大した。特にユーザーからの要望で多かった縦方向の視野角を拡大したことで、大きく頭を動かすことなく視認エリア全体の確認が可能になった(画面2)。
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重さは、MREAL S1の約338g(ヘッドマウントユニット含む、ディスプレイ部のみの質量は約137g)に対して、MREAL X1では約359g(同約158g)と、21gだけ重い。価格面では、MREAL S1と比べてMREAL X1は50万円ほど高い。価格はいずれもオープンだが、最小構成(ヘッドマウントディスプレイ、PC、基本ソフトウェア、表示アプリケーション)での想定市場価格(税別)は、MREAL S1が300万円から、MREAL X1が350万円からである。
●Next:MREAL X1およびMREAL S1のハードウェア上の特徴
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