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[プロセスマイニング コンファレンス 2022 LIVE]

現場の実務をありのままに可視化、“プロセスインテリジェンス”こそが変革の起点になる

2022年7月5日(火)

「プロセスインテリジェンスは、業務プロセスを可視化するための新たな選択肢。業務プロセスを網羅的かつタイムリに把握することが可能になります」──。6月14日にオンライン開催した「プロセスマイニング コンファレンス 2022 LIVE」(主催:インプレス IT Leaders)に登壇したオートメーション・エニウェア・ジャパンの黒部宏昌氏は、業務プロセス可視化ツール「FortressIQ」の機能とメリットを、プロセスマイニングなど既存手法との違いに着目しながら解説した。

“プロセスインテリジェンス”で業務プロセスを網羅的かつタイムリに把握

 RPAベンダーの米Automation Anywhereは、米FortressIQを買収し、クライアントPCのログを収集して業務プロセスを可視化するサービス「FortressIQ」をラインアップに加えた。業務プロセスをFortressIQで可視化した後、自動化すべきプロセスについてはRPAツール「Automation 360」で対処する、というのが同社が描く活用シナリオだ。

 オートメーション・エニウェア・ジャパンの黒部宏昌氏(セールスエンジニアリング本部 シニアコンサルタント)は、FortressIQが提供する機能を“プロセスインテリジェンス”と形容する。「プロセスインテリジェンスは、プロセスマイニングやプロセスマッピングなどの従来手法の課題を解消した新たな選択肢。業務プロセスを網羅的かつタイムリに把握できる点がメリットとなります」(黒部氏)。

オートメーション・エニウェア・ジャパン セールスエンジニアリング本部 シニアコンサルタント 黒部 宏昌氏

 黒部氏によると、業務プロセスを可視化するための従来手法には弱点があったという。例えば、プロセスマッピングは手動なので抽象的なアウトプットしか得られない。プロセスマイニングは分析できるアプリケーションに制約がある。タスクレコーディングも業務の網羅性が高くはない。それに対して、プロセスインテリジェンスのメリットとして、同氏は以下の4つを挙げる。

  • エンドユーザーが行うすべての活動を記録する「完全性」
  • ユーザーの実際の作業をアプリケーション操作のレベルで記録する「正確性」
  • 画像認識や文字認識などのAIを使ってタイムリに洞察を得る「迅速性」
  • 手作業と比べてコストを抑制する「経済性」
図1 FortressIQの概要。データ収集、データマイニング&プロセッシング、レポート&可視化の3つの機能で構成する
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業務端末上の全操作をセンサーで収集してクラウドに転送

 FortressIQの特徴の1つは、エンドユーザーが操作する業務端末(PC)にデータ収集用の「デスクトップセンサー」を導入し、その端末のログを活用することである。デスクトップセンサーは2MB以下の小さなモジュールであり、CPUの使用率やネットワークへの影響を最小限に抑えている。

 取得できる情報は、ユーザー情報、アプリケーション情報、キー入力やマウスクリック座標などの各種データである。セキュリティにも配慮しており、画像認識や文字認識によって、画像に含まれるユーザーID/パスワードなど任意の情報をマスキングした上でサーバーに転送する。

図2 データを収集するデスクトップセンサーの概要と、収集するデータの内容
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 収集したデータを分析することによって分かることは、大きく3つある。

  1. 作業時間のボリュームを発見できる。作業に要した時間、アプリケーションごと、ユーザーごと、端末ごとの作業時間を把握。これらのデータを活用することで、ユーザーごとの業務の偏りや、業務のボトルネックが分かる。
  2. 反復性のバリエーションを発見できる。似た操作を何度も繰り返し実行していることを抽出。こうした操作は自動化できる可能性があるし、同じ業務にも関わらず作業手順が違っていることや、作業の途中で分岐が発生していることも分かる。
  3. 把握していなかった作業を発見できる。作業と作業の間を埋める微細な作業も現実には多い。例えば、人手によるメール送信やExcel集計作業などである。これまで見過ごしていた作業の実態をあぶり出すことができるわけだ。

 FortressIQは、収集したデータを画面に一覧表示。どのPCで、いつ、どんなアプリケーションを使って、どんな操作をしたのかというイベントの明細が並ぶ。画面のキャプチャ画像も保存し、画像認識技術を使うことで画面のどこをクリックしたかも精緻に管理する。

 業務プロセスを可視化する画面では、作業のボックスアイコン同士を線でつないで業務プロセスを表現。線の太さで、よく使われる作業を視覚的に把握できるのが特徴的だ。作業ごとにかかった時間も分かる。作業者によって作業内容が若干異なっても、同じ作業だと推測してグルーピングしてくれる機能は重宝するだろう。

プロセスの経路分析でERPライセンスを削減できる可能性も

 業務プロセスが可視化されることによって、ある処理がどういった経路をたどって行われたのかが明確になる。経路分析が役立つ例の1つは、業務にとって必要ないと思われていた作業が、実際の業務に組み込まれているケースの発見だ。例えば、見積もり額をアプリケーションに登録する際に、直前にExcelや電卓を使っている人が多いことが分かったとしよう。主たる原因を探ると、規定の値引き率に収まるかどうかを、Excelや電卓で試算していることが判明した。この場合、見積もり登録画面に試算機能を追加することで、業務が改善される。このようなケースは、プロセスマイニングなどの従来手法では見つけにくいものだった。

 経路分析が役立つもう1つの例は、同一のアプリケーション機能を様々な業務プロセスが利用しているようなケース。例えば、入庫情報の登録や請求書の登録など複数の場面で、ERPに対して取引先の情報を検索している場合がある。この原因は、入庫登録や請求書登録などにおいて、取引先の情報を調べなければ情報を入力できない仕様になっていること。これは、登録画面の工夫によって改善できる。ERPへの問い合わせが減れば、ERPのライセンスを削減できる可能性も出てくるはずだ。

図3 経路分析によって、ERPに頻繁にアクセスしている実態などが見えてくる
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RPAの“デジタルアシスタント”が業務処理全体をコントロール

 では、可視化した業務プロセスに対して、どういった施策を打つのか。黒部氏は「RPAでの代替もあるし、業務の流れを大胆に変える施策もある。社員教育に活かす道もあれば、アウトソーシングという決断もあることでしょう。いずれにせよ、進むべき道、正しい道を見つけるという観点でプロセスインテリジェンスがとても有益なのです」と語る。

 仮に、RPAで自動化するという判断に至ったのであれば、同社のRPAは「デジタルアシスタント」を実現してくれるのが特徴だ。従来のRPAは、人がハブになって個々のロボットに作業をさせていた。それに対して、「どのロボットを動かすのか、その結果が出たら誰に承認を回すのかといったフローを全く意識することなく、あたかも同僚に仕事を振る感覚でデジタルアシスタントに依頼するだけで済むのです」と黒部氏は言う。

 請求書に基づく支払い手続きを例にとれば、納品データと請求データの突合 → エラーの修正 → 支払いリストの作成 → 承認の依頼 → 承認後の支払いデータ入力といったプロセス全体が自動化の対象だ。個別の作業を専用ロボットに依頼したり、人の判断を介在させたりする必要がない。つまり、全体をコントロールし、複数の仕事で構成する一連の業務プロセスを自動化してくれるのが大きな価値である。

図4 同僚に仕事を頼むかのようにデジタルアシスタントに仕事を依頼できる。デジタルアシスタントは、全体をコントロールし、複数の仕事で構成する一連の業務プロセスを自動化
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 本稿で見てきたように、実務の現場でどのような作業がなされているかを隅々まで洗い出して可視化。ツールに任せた方が生産性も品質も高まるものについては、インテリジェントに、かつ徹底して自動化できること、すなわち変革に向けて着実に歩を進められるのがAutomation Anywhereの真価なのである。


●お問い合わせ先

オートメーション・エニウェア・ジャパン株式会社

お問い合わせフォーム:https://www.automationanywhere.com/jp/contact-us
メールによるお問い合わせ:contact_japan@automationanywhere.com

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