[市場動向]
ハピネスプラネットと日立、職場のメンタルリスク低減に向け、縦・横・斜めのコミュニケーションの改善を実証
2022年8月16日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
日立製作所のグループ会社であるハピネスプラネットと日立製作所は2022年8月9日、ハピネスプラネットが提供する組織支援アプリケーション「Happiness Planet Gym」の効果を実証したと発表した。リモートワークが多く、顔を合わせる機会が少ない職場においても、メンタルリスクに関わるコミュニケーションを改善できたとしている。
日立グループのハピネスプラネットと日立製作所は、ハピネスプラネットが提供する組織支援アプリケーション「Happiness Planet Gym」の効果を実証した。リモートワークが多く、顔を合わせる機会が少ない職場においても、メンタルリスクに関わるコミュニケーションを改善できたとしている。
ハピネスプラネットは、「組織の幸福感」の観点から、働く人の仕事に対する自信や働きがいを示す指標である「心の資本」を高めるといった、日立の働き方改革支援プロジェクトを通じて、2020年7月に設立された企業である(関連記事:日立、働き方改革支援サービス「ハピネスプラネット」を活用し、4300人の「心の資本」が3週間で33%向上)。
ハピネスプラネットによると、メンタルリスクの高い組織では、上司と部下の縦のコミュニケーションだけでなく、チームや階層をまたいだ横や斜めのコミュニケーションが不足する。これを受けて同社は、縦・横・斜めのコミュニケーションの「三角形のつながり」を意図的に作り出す「応援団自動生成機能」を開発し、Happiness Planet Gymの機能として提供している。
メッセージを送り合う3~4人のチームを自動で形成
応援団自動生成機能は、横や斜めのつながりを含む3~4人のチームを、自動で形成する機能である。各メンバーは、アプリ(ハピアドバイザー)に促されて日々の前向きな取り組みを表明し、さらに互いに応援団としてメッセージを送り合う(図1)。
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今回、ハピネスプラネットと日立は、約250人の組織を2つのグループに分け、「応援団自動生成機能」の適用有無により、その効果を検証した。まず、2グループとも自由に応援相手を選んで1カ月間メッセージを送り、コミュニケーションのつながりを確認した。その後、一方は同様の応援を、他方は「応援団自動生成機能」を適用した応援を1カ月間行い、コミュニケーションのつながりの変化を分析した。
実験の結果、同様の応援を行ったグループにはコミュニケーションの構造に大きな変化がなかった一方、「応援団自動生成機能」を適用したグループでは、周囲の人同士のつながりが希薄だった33%の従業員に、新たに「三角形のつながり」が生じた(図2)。同機能によって職場のコミュニケーションが改善することで、従業員のメンタルリスクを低減可能だとしている。
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●Next:落ち込みやうつ症状が生まれるコミュニケーション構造を分析
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