[オピニオン from CIO賢人倶楽部]

CIO賢人倶楽部のぶれないコンセプトと活動

CIO賢人倶楽部 会長 木内里美氏

2022年8月22日(月)CIO賢人倶楽部

「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システム/IT部門の役割となすべき課題解決に向けて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見共有を促し支援するユーザーコミュニティである。IT Leadersはその趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加している。本連載では、同倶楽部で発信しているメンバーのリレーコラムを転載してお届けしている。今回は、CIO賢人倶楽部 会長 木内里美氏によるオピニオンである。

 最近、CIO賢人倶楽部への問い合わせが増えています。「参加したいが、どうすればいいのか」「実際にどんな活動をしているのか」といった内容です。関心を持っていただけることをとても嬉しく思います。当倶楽部のWebサイトで沿革やミッションなどを説明しているのですが、確かに参加方法や活動の詳細については明確な記述がありません。そこで、改めてCIO賢人倶楽部をご紹介したいと思います。

 CIO賢人倶楽部は、2009年に活動を始めたCIOのためのプライベートなコミュニティです。当時、CIOのための中立的なコミュニティがなく、筆者の実体験から異業種間の気楽なコミュニティが必要だと考えたのが設立のきっかけでした。最近は、新たにCDO(Chief Digital Officer、もしくはChief Data Officer)という役職も増えてきたことから、CDOの方も対象です。CIOやCDOは会社の経営に影響の大きいデジタル技術に大きな投資をする際に、責任の伴う孤独な決断を強いられます。本音で相談できる相手もなかなかいません。だから相互の情報交換ができる気楽なコミュニティが必要だと考えたのです。

 参加資格を明確に定めているわけではありませんが、気楽に本音で話せる環境を維持するため、参加者は1業種・業態1社を原則にしています。会員の強い推薦で複数になる場合もありますが、あくまでも例外です。その上で最も重要視しているのが個人としての見識と人格です。

 さらに、CIOやCDOとしての実績があり、その実績が論文や書籍や講演などで公開されていて客観的に評価できることと、既存会員からの推薦が必要です。入会に際して入会金や会費などは必要ありません。事務局を含めて活動費は、この活動に賛同していただける協賛会社の支援で賄われています。協賛に関心のある会社がございましたら、ぜひ申し込んでいただきたいと思います。

 活動として、2カ月に1回程度、本会を開催しています。テーマを決めて意見交換したり、外部講演者の話を聴いたりします。さまざまな施設や工場などを視察する現地見学会も重視しており、年に2回くらい実施しています。2019年には中国・深圳の企業訪問も行いました(写真1)。しかし、2020年度以降はコロナの影響で休会になっています。ここまではクローズドでの開催であり、内容は非公開です。

写真1:2019年には中国・深圳を訪れた。写真はドローンの世界最大手メーカー、DJI(Da-Jiang Innovations)の旗艦店

 一般に公開するオープンな活動もしています。CIOやCDOを支援する組織として重要な義務と考えているからです。実際に、年に2回のペースで参加無料の公開セミナーを開催し、毎回、100名程度の経営者や上級管理職の方々に参加いただいてきました。会員との交流の場でもあるのですが、リアルに会えないと意味がありませんので現在は休止中です。このほか会員はリレー形式でコラムを執筆し、CIO賢人倶楽部のWebサイトおよびIT Leadersの本コラム連載で発信しています。

 CIO賢人倶楽部は今年の秋で発足13周年になりますが、この間、コンセプトも活動も一切ぶれることなく続けています。テクノロジーの進化は今も加速し、CIOの役割はより複雑に変化しています。しかし本質は変わることがありません。標準化や可視化によって課題を整理し、フレームワークやモデリングを活用して粛々とシステムを構築することです。その最上流にはインサイトのもとに包括的なデザインがあり、これによって成否が決まります。王道はあっても近道はないのです。

 CIO賢人倶楽部はこれからもCIOやCDOを支援し、日本企業が、ひいては日本社会が活力を取り戻せるように貢献していきます。

CIO賢人倶楽部
会長
木内里美氏

※CIO賢人倶楽部が2022年8月1日に掲載した内容を転載しています。


●筆者プロフィール

CIO賢人倶楽部(CIOけんじんくらぶ)
http://cio-kenjin.club/
大手企業のCIOが多数参加するコミュニティ。企業におけるIT部門の役割やIT投資の考え方、CEOをはじめとするステークホルダーとのコミュニケーションのあり方、デジタルトランスフォーメーションに向けたこれからの情報システム戦略、IT人材の育成、ベンダーリレーション等々、さまざまな課題について本音ベースでディスカッションしている。

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