[事例ニュース]

JF全漁連、水産物を“ネット実演販売”、WebRTCによる低遅延ライブ配信を活用

実証実験を2023年1月から3回実施

2023年1月6日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)は2023年1月6日、水産物の新たな販売方法として、低遅延ライブ配信基盤を活用した“ネット実演販売”の実証実験を開始すると発表した。消費者からの質問にリアルタイムに対応しながらライブ配信で水産物を販売する。低遅延ライブ配信基盤として、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)の「Smart vLive」を利用する。実証実験は、同年1月14日の初回ライブ配信から、2023年3月までに合計3回実施する。

 全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)は、水産物の新たな販売方法として、低遅延ライブ配信基盤を活用した“ネット実演販売”の実証を開始する。ライブ配信サイト「JFおさかなマルシェ」で、消費者からの質問にリアルタイムに対応しながら水産物を販売する。同年1月14日に第1回のライブ配信を実施し、2023年3月までに合計3回実施する(図1)。

図1:ライブ販売の配信イメージ(出典:全国漁業協同組合連合会、NTTコミュニケーションズ)
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 取り組みの背景について次のように説明している。「日本における水産物の1人1年当たりの消費量が減少している。一因として、鮮魚小売店で対面販売で料理方法の提案を受けながら購入する機会が減り、スーパーに陳列してあるものを購入することが一般的となったことで、調理方法が分からないために水産物を直接購入することが敬遠されている」。

 実証では、坊勢漁業協同組合(JF坊勢)が生産、兵庫県漁業協同組合連合会(JF兵庫漁連)が加工・流通、JF全漁連が販売、NTT Comがシステム構築を担当。兵庫県内の各漁港で水揚げした水産物を、直接インターネット上で実演販売する。水揚げした水産物の魅力を参加型のライブ配信で紹介し、配信後には紹介した水産物をECサイトで販売する。

 インターネットとWebブラウザを介したライブ販売によって、実際に足を運ぶことなく、あたかも産地魚市場で買い物をするように商品の説明が聞ける。チャット機能も備えており、生産者と対話をしながら買い物が可能である。生産者から見ると、能動的な情報発信を行えるほか、販売を通じて消費者のニーズを取り込める。

 システム要素として、WebRTCを利用した低遅延ライブ配信サービス「Smart vLive」にチャット機能を付加した配信システムを利用する(図2)。NTT Comによると、一般的な動画配信と比べて遅延が小さいため、ライブ販売の現場と映像、チャットとのズレがほとんどないという。ライブ配信で紹介した商品は、NTTレゾナントが提供するECサイト「マルシェル by goo」を介して購入可能である(関連記事NTT Com、1秒未満の低遅延をうたうライブ配信基盤サービス「Smart vLive」を開始)。

図2:ライブ販売のシステム構成(出典:全国漁業協同組合連合会、NTTコミュニケーションズ)
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 3回の実証実験は以下のスケジュールで実施する。

  • 第1回:2023年1月14日(土) 17:30
    予定商品:ぼうぜ鯖
    生産:坊勢漁業協同組合(兵庫県姫路市家島町)
  • 第2回:1月28日(土) 17:30
    予定商品:香住ガニ
    生産:但馬漁業協同組合(兵庫県美方郡香美町)
  • 第3回:2月4日(土) 17:30
    予定商品:播磨灘産 一年牡蠣
    生産:坊勢漁業協同組合(兵庫県姫路市家島町)
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