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東京大学、127量子ビットの量子コンピュータ「IBM Quantum System One」が稼働

2023年11月27日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

東京大学は2023年11月27日、127量子ビットプロセッサを搭載した量子コンピュータ「IBM Quantum System One」を同年10月1日に稼働開始したと発表した。量子イノベーションイニシアティブ協議会(QII)に参加する企業や研究機関と共に専有利用し、バイオインフォマティクス、高エネルギー物理学、材料科学、金融などの分野における量子研究に活用するとしている。日本IBMによると、127量子ビットの量子コンピュータの北米以外での稼働は同大学が初めて。

 東京大学は、127量子ビットプロセッサを搭載した量子コンピュータ「IBM Quantum System One」(写真1)を2023年10月1日に稼働開始した。量子イノベーションイニシアティブ協議会(QII)に参加する企業や研究機関と共に専有利用する。新システムをバイオインフォマティクス、高エネルギー物理学、材料科学、金融などの分野における量子研究に活用するとしている。

 日本IBMによると、127量子ビットの量子コンピュータの北米以外での稼働は同大学が初めてとなる(関連記事東京大学、127量子ビットの量子コンピュータを川崎市のKBICで2023年中に稼働)。

写真1:量子コンピュータ「IBM Quantum System One」の外観(出典:米IBM)
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 東京大学は、2021年7月からIBM Quantum System Oneを運用している。今回新たに、127量子ビットの「IBM Quantum Eagle」プロセッサを搭載した同システムを構築した。(関連記事東京大学、量子コンピュータ「IBM Quantum System One」を稼働開始、“量子人材”を育成)。

 東京大学 理事・副学長の相原博昭氏は、「127量子ビットプロセッサを搭載した量子コンピュータを利用できるようになった。スーパーコンピュータでシミュレーション可能な限界は50量子ビット程度なので、量子コンピュータでなければ不可能な大規模で複雑な計算が行える。多岐にわたる分野での研究を進め、量子関連技術の社会実装を実現する」とコメントしている。

 図1は、米IBMによる量子コンピュータのロードマップ(2022年5月10日時点)である。量子ビット数を拡大するための施策として、モジュール型のプロセッサやクラスタ接続、分散処理などのアーキテクチャを採用する(関連記事IBMが量子コンピュータのロードマップを更新、2025年に4000量子ビット超を目指す)。

図1:米IBMが発表した量子コンピュータの開発ロードマップ(出典:日本IBM)
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 2022年11月9日には、今回東京大学が稼働開始した「IBM Quantum Eagle」(127量子ビット)の3倍以上の量子ビット数となるプロセッサ「IBM Quantum Osprey」(433量子ビット)を発表している(関連記事IBM、433量子ビットプロセッサ「Quantum Osprey」と量子コンピュータ新モデル「Quantum System Two」を発表)。

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