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三井住友海上、事故対応時の通話内容を生成AIで要約、2024年内に全国展開

2024年5月28日(火)IT Leaders編集部

三井住友海上火災保険(本社:東京都千代田区)は2024年5月27日、事故対応時の通話内容を自動でテキスト化し、生成AIで要約するシステムを構築したと発表した。「NEC Enhanced Speech Analysis - 高性能音声解析 - 」と「Azure OpenAI Service」を利用する。一部の「保険金お支払センター」で先行導入を始めており、2024年内に全国のセンターへの導入を目指す。

 三井住友海上火災保険では、事故対応時、顧客を含めた事故関係者との通話内容を担当者が経過記録として書き起こし、損害サービスシステム「BRIDGE」に登録している。その作業には多くの時間を要し、業務の省力化による時間創出が課題だったという。

画面1:事故対応時の通話内容を自動でテキスト化し、生成AIで要約するシステムの画面(出典:三井住友海上火災保険、NEC)
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 業務を省力化するため同社は、NECの音声認識技術と、生成AIによる文章要約技術を活用し、経過記録業務を自動化するシステムを構築した。今回、実証で有効性を確認したことから、一部の「保険金お支払センター」で利用を開始した(画面1)。

 同システムでは、音声認識サービス「NEC Enhanced Speech Analysis - 高性能音声解析 - 」を利用している。話し手の識別と、事故対応に頻出する専門用語の学習により、精度の高いテキストを作成するとしている(関連記事NEC、音声認識サービス「NEC Enhanced Speech Analysis」を発表、API版とWeb会議ツール連携版)。

 テキスト化した通話内容の要約には、生成AIサービス「Azure OpenAI Service」を利用している。担当者は、生成AIが要約した内容を確認したうえでBRIDGEに登録する。

 三井住友海上は、システムによる省力化で捻出される時間を、顧客対応の充実や事故対応品質の向上につなげるとしている。今後、導入の効果やリスクを検証しながら段階的に導入し、2024年内に全国の「保険金お支払センター」での利用開始を目指す。

 また、同社は、生成AIの活用を促進するユーザー支援プログラム「NEC Generative AI Advanced Customer Program」に参加しており、同プログラムを通じて、より損害保険業界に特化した大規模言語モデル(LLM)の導入などを検討していく。

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