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イーデザイン損保、生成AI機能を備えたアバターで顧客接点の高度化を検証

2024年6月4日(火)IT Leaders編集部

イーデザイン損害保険は2024年6月3日、生成AI機能を備えたアバターによる顧客対応の実地検証を同年1月~3月にかけて実施したと発表した。カスタマーセンターへの問い合わせが多い自動車保険の車両入替業務をユースケースに、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が構築したシステムで検証している。

 イーデザイン損害保険は、Webサイトの使い勝手に注力しており、顧客自身で各種手続きを完結できるようにサイトを設計している。しかし、顧客がPCやスマートフォンの操作に慣れていなかったり、手続き中に不明な点が生じたりと、カスタマーセンターには一定数の問い合わせがあるという。

 そこで、多くの顧客が不便を感じずに手続きを完結できる顧客体験の実現に向けて、生成AIを活用して顧客接点を高度化する取り組みに着手。2024年1月~3月に実地検証を行った。カスタマーセンターへの問い合わせが多い自動車保険の車両入替業務(契約期間中に車両を変更する手続き)をユースケースに、生成AI機能を備えたアバター「バーチャルコンシェルジュ」を用いて、顧客対応の精度などを検証している。

 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が検証のためのシステムを構築した。生成AIによる対話精度の検証では、車両入替手続きに関するやりとりやFAQを生成AIに組み込み、カスタマーセンターでの応対を想定した対話モデルを構築。通常の手続きに加え、主な運転者が変更となるといったイレギュラーなケースを含む5種類のシナリオで、対話の精度や応答速度などを評価した。結果、将来的には顧客接点として商用化が可能な水準と評価し、実用化を目指して検討を進めることにした。

図1:生成AI機能を備えたアバター「バーチャルコンシェルジュ」のUI(出典:イーデザイン損害保険、NTTコミュニケーションズ)

 バーチャルコンシェルジュのUI/デザインについて、イスラエルDe-Identificationの動画生成AI「Creative Reality Studio」を用いて、実在の社員をベースにしたバーチャルコンシェルジュを作成し、外観や動作などを評価した。結果、人間としての自然な動作、応答速度などに課題は残るものの、実務における顧客接点として活用できる可能性があると判断した(図1)。

 また、安心・安全な対話の実現については、悪意のある問いかけ、ハルシネーションの発生などを想定した対話において、生成AIのフィルター機能が有効に機能するかを検証。実用化に向けて一定の効果を確認できたが、ルールベースとの融合など、さらなる検討が必要であると結論づけている。

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