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生成AIがビジネスコンテキストを理解し、プロセス改善を提案。Celonisが導くプロセスマイニングの新時代
2024年8月9日(金)
2024年6月28日に開催された「プロセスマイニング コンファレンス 2024」にCelonisのバリューエンジニアリング本部 部長の寺田有汰氏が登壇。「AIを駆使した次世代プロセスマイニングソリューション: CelonisのProcess Intelligence GraphとCelonis BPMによるプロセス管理の高度化」と題して、プロセスマイニングにおけるAI活用や、BPM(Business Process Management/業務プロセス管理)と連携したエンドツーエンドでの可視化・分析の方法を解説した。
提供:Celonis株式会社
プロセスの可視化と実態の把握をコアに顧客のプロセス改善を促す
2011年、ドイツ・ミュンヘンの学生によるスタートアップとして創業し、プロセスマイニング技術で市場をリードしてきたCelonis。BMWやシーメンスといった企業のプロセス改善を長く支援してきたことで知られ、現在は1350社を超える企業に「プロセスインテリジェンスプラットフォーム」をSaaS形式で提供するグローバル企業に成長した。
現在も多くの技術分野に積極的に投資しながら、最先端の学術研究を実際のビジネスに落とし込むことに力を入れているという。寺田氏は、Celonisが顧客の課題をどのように解決するのかについてこう述べる。
「われわれがお客様に提供しているのは、プロセスの可視化と実態の把握です。設計書上のプロセスはシンプルでも、担当者にヒアリングすると設計書に表れないさまざまなプロセスが見えてきます。また、データを使ってマイニングをすると、ヒアリングでは想定すらされていなかったプロセスも数多く発見できます。複雑に絡み合ったプロセスを解き明かし、お客様に透明性を提供することが我々のコアな仕事です」(寺田氏)
プロセスの可視化と把握にともない、SAPやOracle、Salesforce、Workdayなどソースとなるさまざまなシステムと連携するためのコネクタの開発や、プロセスマイニングしやすいデータへの変換、プロセス改善に関する知見の提供などにも力を入れている。
さらに、複数のプロセスを可視化できる「オブジェクトセントリックプロセスマイニング」といったプロセスマイニングの最新技術の製品への適用にも積極的に取り組むほか、2023年には新たな機能としてPIG(Process Intelligence Graph)を追加し、生成AIなどとの連携を可能にした(図1)。
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「可視化機能をコアに持ちながら、さまざまな機能を拡張してきています。これらによりお客様のプロセス改善を促すことがわれわれのミッションです」(寺田氏)
プロセスマイニングソリューション「Celonis」に4つの新機能を追加
2024年、Celonisに新機能が追加された。「次世代のプロセスインテリジェンス」「直感的な顧客体験」「BPMの統合」「AIソリューションの強化」の4つだ。
「次世代のプロセスインテリジェンス」についてはPIGが強化され、新しい標準データ取り込みAPIやOracle EBS向けのデータモデリングUI、データを簡単にスケールできるプレミアムクエリエンジンなどが追加された。「直感的な顧客体験」については、直感的なインタフェースで簡単・迅速にダッシュボードを作成したり、アクションを統合して運用ビューを簡単に構築したりできるようになった。
3つ目のBPMの統合は、2023年に買収したSymbio社の機能を取り込んで強化されたものだ。
「これまでプロセスマイニングやタスクマイニングが実現できていたのは、トランザクションから知見を得ることです。今回BPM領域の技術を統合したことで、プロセスが本来どういった流れであるべきか、何人くらいで処理するのか、プロセスが依拠するプロトコルやルール、それに対する業界のベンチマークなどをプロセスマイニングの領域で活用できるようになりました。プロセスマネジメントとプロセスマイニングを統合することで、高度なビジネス分析やAIの活用が可能になったのです」(寺田氏)
例えば、あるべきプロセス情報とマイニング結果から高度なプロセス分析を行ったり、プラットフォーム全体にAIを統合し、価値実現までの時間を短縮したりできるようになるという。
これらを実現するために3つのツールがある。AIを活用したプロセス設計ツールである「プロセスデザイナー」、作成したBPMを確認し組織での活用を促す「プロセスナビゲータ」、プロセスマイニングの結果を統合してプロセスを管理していく「プロセスコックピット」だ(図2)。
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「プロセスコックピット」を利用すると、BPMの情報をプロセスマイニングツール上に表示して、プロセスを作成・分析できるようになる。
「これまでプロセスマイニングツールだけでは見えなかった、設計されたプロセスとプロセスの間にある、実際に現場で行われているプロセスが見えるようになり、問題を視覚的に確認することで、経営者とIT部門、IT部門と業務部門が課題を共有して、プロセス改善の取り組みを推進できるようになります。つまり、プロセスマネジメントにより、企業の全体像をモデル化し、そのナレッジを共有できるようになるのです」(寺田氏)
AIがビジネスコンテキストを理解してプロセス改善につながる回答を返す
Celonisの新機能の4つ目、「AIソリューションの強化」は、生成AIベースのプロセスコパイロット機能の提供や、AIを搭載した新しいアプリの提供、カスタムML(機械学習)アリゴリズムの構築と既存AIツールへの組み込みといった機能を提供するものだ。
「生成AIの発展で『子どもの誕生日パーティーの招待状を書いて』といった質問に対しては簡単に回答を得られるようになりました。しかし、プロセスの情報についてAIに尋ねても、たいていの場合間違った情報やそれっぽい情報しか得ることはできません。例えば『どの地域で納品が遅れる可能性が高く、それについて何ができるか』といった質問です。うまく回答ができない理由は、一般消費者向けの生成AIと違って、企業向け生成AIにコンテキストデータが不足しているからです」(寺田氏)
一般向けAIのデータソースは本や記事、ネットへのポストなどで、コンテキストはWikipediaやニュースサイト、アーカイブ記事などだ。一方、企業向け生成AIのデータソースはSAPやOracle、Salesforceなどだが、コンテキストがない状態なのだ。そんな企業向け生成AIに、コンテキストを提供するのがPIGの役割だ。
「例えば生成AIに『運転資本を改善したい』と聞いたとき、データソースと質問に対する答えを取り持つコンテキストがないため、どのデータを読みにいって、それをどう表現したらKPIが出力されるのかがわかりません。そこでPIGでは、コンテキストとなる基盤を用意し、自然言語で問いかけると、コンテキストに沿って、回答を返すことができるようにしました(図3)」(寺田氏)
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この基盤は大きく4つのレイヤーで構成されている。データソースを取り扱うレイヤーである「ソースシステム」、データソースをプロセスマイニングで利用できるかたちに整形するレイヤーである「プロセスデジタルツイン(マイニング)」、マイニングしたデータをビジネス文脈に沿ってAIモデル化したレイヤーである「ビジネスコンテキスト(BPM)」、コパイロットとしてユーザーとやりとりするレイヤーである「インタフェース」だ(図4)。
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「これにより、AIがビジネスコンテキストを理解してさまざまな回答を返すことができます。例えば、経営層による『直近1か月の改修状況を見せて』といった質問や、業務ユーザーによる『ベンダーAに対する来月の支払予定の明細をリストで表示して』、分析者による『手戻りが特に多いチームを出して』などです。
「これまでプロセスマイニングはアナリストが業務全体を分析するために使うツールとして位置づけられる傾向がありましたが、生成AIを使うことで、業務ユーザーが自分の業務を簡単に分析するツールとして利用できるようになってきています」(寺田氏)
Celonisでは、今後、業務ユーザーやAIがデータを簡単に使えるようにするために、データの作り込みに力を入れていくという。そのうえで寺田氏は、次のように述べ、講演を終えた。
「お客様やパートナー様と一緒にデータを整理していくことで、お客様がプロセス改善の本質的な部分に時間を割けるようにしていきます。プロセスマイニングは日本ではまだ黎明期です。情報交換の場の提供、価値創出につながるフレームワークの提供、最先端技術を活用したプラットフォームの提供に力を入れ、日本におけるプロセス改善の発展に貢献していきます」(寺田氏)
●お問い合わせ先
Celonis株式会社
URL:https://www.celonis.com/jp/
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