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[プロセスマイニング コンファレンス 2024]

プロセスモデリングから分析、AI活用まで、SAPが実現する“次世代”のビジネスプロセス管理

2024年7月29日(月)

SAPが目指す“次世代”のビジネスプロセス管理における重要領域とは何か。2024年6月28日に開催した「プロセスマイニング コンファレンス 2024」(主催:インプレス IT Leaders)のセッションに、SAPジャパン エンタープライズクラウド事業本部 ビジネストランスフォーメーション事業部/Presalesの喜山和典氏が登壇。SAPシステムとプロセスマイニングを融合させるポイントや効果を解説した。
提供:SAPジャパン株式会社

第3世代のプロセス管理で「プロセスイノベーションのリーダー」を目指すSAP

 SAPは、ビジネスでのAI活用が進むなか、「AIを活用した継続的なビジネス変革を通じて、組織が最大限の可能性を実現できるようにすること」をビジョンの1つに掲げている。SAPジャパン エンタープライズクラウド事業本部 ビジネストランスフォーメーション事業部/Presalesの喜山和典氏は、「このビジョンは、SAPが世界のプロセスイノベーションのリーダーとなるための基盤になる」と語る。

写真1:SAPジャパン エンタープライズクラウド事業本部 ビジネストランスフォーメーション事業部/Presales 喜山和典氏

 「変革の原動力となるのは、『プロセス』『アプリケーション』『ピープル』『データ』です。これらを適切につなげるソリューションを持つことが重要です。SAPの活用によって、戦略策定までの時間(Fast Time to Insight)と、戦略を実行し適応するまでの時間(Fast Time to Adapt)を短縮できます」(喜山氏)

 変革に欠かせないこれらの要素のうち、「プロセス」に注目すると、SAPのプロセス管理ソリューションは第3世代に入っている。第3世代のプロセス管理で重要になる領域は、下記の3つだ。

  1. プロセスモデリングとコラボレーション
  2. プロセス分析
  3. AI Powered プロセス変革

 「まずは、プロセスをモデリングして階層化管理し、それを全社で共有してコラボレーションしながらデジタル化していくことが重要です。次に、プロセスの分析段階では、SAP ERPシステムとの連携がポイントになります。プロセスマイニングをSAPシステムと接続し、広範なプロセス領域についてクイックにパフォーマンスを診断できるようにします。さらに今後は、AIを活用したプロセス変革が大きなトピックになっていきます」(喜山氏)

 こうした第3世代の管理を支援するのが、SAPが提供するビジネスプロセスマネジメント製品ブランド「SAP Signavio」と、そのスイート製品「SAP Signavio Process Transformation Suite」だ。同製品では、プロセスの分析とマイニング、プロセスモデリング、プロセスのパフォーマンス管理、プロセスの共有、プロセス変革の管理機能などが提供される(図1)。

図1:プロセスマイニングを含めビジネスプロセス変革を支援するスイート製品「SAP Signavio Process Transformation Suite」(出典:SAPジャパン)
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 喜山氏は、プロセス管理で重要な3つの領域において、それぞれどのような課題があり、それらをSAP Signavioがどう解決していくのかを説明していった。

1. プロセスモデリングとコラボレーション

 まず、プロセスモデリングとコラボレーション領域では、「SAP Signavio Process Manager」が中心的な役割を担うことになる(図2)。

 「プロセスモデリングでは、バリューチェーンマップやナビゲーションマップによるプロセスの階層化、BPMNによるプロセスモデリング、プロセスの構文チェック、履歴管理、ダイアグラム比較などが可能です。また、ビジネス用語を辞書として集中管理したり、属性を付加してプロセスの価値を向上させたりもできます。プロセスに要する時間や発生頻度、コストなどのシミュレーションや国別のローカルプロセスに対応するためのバリアント管理も可能です」(喜山氏)

図2:プロセスモデリングからプロセスの文書化、シミュレーション、バリアント管理までを行える「SAP Signavio Process Manager」(出典:SAPジャパン)
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 プロセスのコラボレーションについては「SAP Signavio Process Collaboration Hub」を活用することで、プロセスやプロセス階層、ダイアグラムと属性などを共有し、全社員がプロセスの実態・パフォーマンスを把握できるようになる。

2. プロセス分析

 次に、「プロセス分析」については「SAP Signavio Process Insights」が利用できる。同製品はSAPシステム専用のプロセス分析ツールで、「SAP S/4HANA」「SAP ECC 6.0」「SAP Ariba」といったシステムを対象に、プロセス分析用の事前定義済みテンプレートを提供する。そのため、SAP Signavio Process InsightsをSAPシステムに接続するだけで、継続的に業務パフォーマンスを監視し、改善に向けたインサイトが得られる。

 例えば、業務領域ごとのプロセスフローと評価指標に基づいた問題点の提示や根本原因の分析、データに基づいて設定をどう変更すればよいかという是正アクションの提案と課題解決の優先順位付け、毎日更新されるライブデータに基づいた管理や自動的に更新される洞察の定期的な取得が可能になるという(図3)。

図3:業務部門とIT部門が連携してプロセス改善に取り組めるような仕組みを提供(出典:SAPジャパン)
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SAP、非SAPシステムに対応するプロセスマイニングツール「SAP Signavio Process Intelligence」 

 プロセスマイニングのソリューションとしては、非SAPシステムにも対応可能な「SAP Signavio Process Intelligence」も提供される。

 SAP Signavio Process Intelligenceは、主に以下のような機能を備えている。

  • プロセスのアクティビティレベルでの可視化
  • さまざまな分析軸でのビジュアリゼーション
  • SQLライクな問い合わせ言語を使った分析
  • メトリックや属性の相関や異常値を自動的に可視化する自動化インサイト(Automated Insights)
  • しきい値によってアクションを起こすデータドリブンアクション
  • SAP以外のシステムプロセスの管理機能

 例えば、アクティビティレベルでの可視化では、マイニングログからプロセスフローの実態をイベントレベルで可視化・分析したり、発生件数やイベント間のリードタイムを迅速に把握し、リードタイムの長いイベントやリワークの課題の特定、品目タイプ、組織別などでフローを比較し差異を把握したりといったことが可能だ。

 「プロセスには多くの枝分かれや手戻りがありますが、それらをズームしながら詳細に分析できます。標準化・統一化したフローでも、担当者や取引先、サプライヤーによって違いがでる場合があります。それらを2つの画面で比較しながら違いを見つけていくことができます」(喜山氏)

 喜山氏はこのほかに、SAP Signavio Process Intelligenceが提供するプロセスフロー・バリアント分析、BPMNプロセスダイアグラム作成、プロセス適合性分析、自動化インサイトによる分析時間の短縮機能などについても解説した。

 「プロセスマイニングをスイート製品として活用することで、業務とITのコラボレーティブなプロセス改善が実施できます。業務担当の社員でも、専用画面にアクセスすることなくプロセスの実態を共有できます。マイニングにより得られたインサイトをアクションに結びつける仕組みも提供します」(喜山氏)

革新的な「プラグアンドゲインアプローチ」

 さらに、SAPでは、プロセスマイニングをスイート製品として提供することで、プロセス改善だけでなく、業務変革(ビジネストランスフォーメーション)の支援も目指している。そのアプローチが「プラグアンドゲイン(Plug and Gain)アプローチ」だ。

 喜山氏によると、プラグアンドゲインアプローチとは、SAP ECCとSAP S/4HANAの顧客を対象とした革新的な変革アプローチを指す。SAP Signavio Process InsightsとSAP Signavio Process Intelligenceを連携させ、通常数か月はかかる業務プロセスの可視化を速やかに実施、変革に必要なAs-Is(現在の姿)把握のための時間と複雑さを最小限に抑え、To-Be(目指すべき姿)業務の実現に向けた改善活動の決定と実行に要する時間を飛躍的に短縮するという。

 「変革を管理するSAP Signavio Process Transformation Managerを使って、プロセス分析から得られたインサイトを集中管理し、価値提供に基づくコラボレーティブな変革プランの策定とモニタリングを行います」(喜山氏)

3. AI Powered プロセス変革

 最後の「AI Powered プロセス変革」では、さまざまなパートナーと連携し、SAP全体で「SAP Business AI」というソリューションを提供することが説明された(図4)。

図4:SAPのAI活用の全体像「SAP Business AI」。生成AIを活用してプロセス分析を民主化・迅速化する(出典:SAPジャパン)
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 具体的には、生成AIを活用して顧客のビジネスを理解するAIアシスタントの「Joule(ジュール)」や、プロセスに特化したAI「Process AI for SAP Signavio Solutions」を提供する。

 Process AI for SAP Signavio Solutionsは、重要業績評価指標(KPI)やプロセスダイアグラムを対話型でレコメンドする機能、プロセスのリポジトリを生成する機能、AI推奨のイニシアチブを提供する機能、対話型でのプロセスマイニングを行う機能、プロセス改善の予測のためのナレッジとコンテキストの拡張機能などを備えている。

 例えば、SAPが提供する5000のベストプラクティスのデータベースに基づき、事前定義済みのプロセスモデルを推奨したり、ビジネスプロセスに関連するプロセスパフォーマンス指標(PPI)やモニタリング指標を推奨したりできる。さらに、自然言語を使用した問い合わせ機能や、AIベースの根本原因分析も順次提供される予定だ。

 喜山氏は最後に、「SAP Signavioは、プロセスのデジタル管理からプロセス分析、マイニングまで継続的変革を支援します。SAP Signavio Process Transformation Managerで、変革イニシアチブを集中管理し、定量化データに基づくコラボレーティブな変革を促進します。また、Process AIは、生成AIを活用し迅速にプロセスモデルを構築し、プロセス分析の民主化・迅速化を加速させます」と述べ、講演を締めくくった。


●お問い合わせ先

SAPジャパン株式会社

フリーダイヤル 0120-786-727
Web https://www.sap.com/japan/registration/contact.html
製品URL https://www.signavio.com/jp/

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