神戸製鋼グループの総合エンジニアリング会社として産業設備の設計・保守などを手がけるコベルコE&M。同社はプロセスマイニングツール「Celonis」を導入し、“見えない無駄”の可視化に取り組んでいる。独Celonisの日本法人が2025年12月4日に開催したプライベートイベント「Process Intelligence Day Osaka 2025」のセッションに、コベルコE&M 業務改革プロジェクト室の村山慎二氏と青木琢真氏が登壇。部分最適化が進み、業務の属人化など招いていた業務プロセスの変革に挑んだ経緯、発見した改善機会など、取り組みの詳細を明かした。
部分最適、属人化した業務からの脱却
神戸製鋼グループの中核を担う総合エンジニアリング会社、コベルコE&M(本社:兵庫県神戸市)は、各産業分野の設備設計・制作・工事・メンテナンス、エネルギーメーカー向けのプラント計画、設計などの事業を展開している。1962年に神戸製鋼所と寿鉄工により神戸寿鉄工として創業し、両社の機器製作および工事を中心に事業を拡大していく。複数回の合併を経て、2013年に神戸製鋼所の100%子会社になり、2022年4月に現社名となった。
同社で業務改革プロジェクト室 室長を務める村山慎二氏(写真1)は、そうした会社の成り立ちもあって、長年抱えていた業務プロセスの課題をこう話す。「複数の会社が合併する過程で、業務プロセスも整理できればよかったが、各社のプロセスが部分最適な形で残り、属人化した業務があらゆるところに点在している状況だった」。
このほか、人材不足などにも直面する中で、生産性を高めて売上拡大を図るには、やはりプロセスの問題と対峙するしかない。そう考えて2024年4月に立ち上げたのが業務改革プロジェクトだ。現在、2029年4月の新基幹システムの稼働開始をゴールに定めて、全社的な業務改革に取り組んでいる(図1)。
写真1:コベルコE&M 業務改革プロジェクト室 室長の村山慎二氏
図1:業務改革プロジェクトの体制とスケジュール(出典:コベルコE&M)拡大画像表示
プロジェクト以前にも業務改善は各部門で行われていたが、効果を定量的に把握できないまま着手して後が停滞したり、特定プロセスのみの部分最適に留まったりと、十分な効果が得られないでいたという。村山氏は、「改善によって得られた価値を継続し続けたり、組織的に成熟化させていく部分が弱かった」とこれまでの取り組みを振り返る。
現在進行中の業務改革プロジェクトにおいても、社内業務標準をベースにヒアリングなどを通じた現状把握を進めているが、人手によるヒアリングでは拾えない“見えない無駄”など、抜け漏れが発生する懸念が拭えなかった。
そこで着目したのがプロセスマイニングだ。「プロセスを可視化して分析可能な状態でデータとして蓄積し、無駄や不合理を解消していく。そのような状態の下で新しい基幹システムを使える環境を整えられると考えた」と村山氏。
プロセスマイニングツールの選定では、複数の製品を比較した結果、「Celonis」を採用した。村山氏がポイントとして挙げたのは、プロセス変革を通じて、組織の価値創出にフォーカスした活動を継続的に展開できると感じたこと。加えて機能面の特徴として、SAP ERPだけでなく、周辺システムのプロセスを含めた全体をリアルタイムで可視化できる点を評価した。
●Next:調達プロセスの可視化・分析で明らかになった3つの改善機会
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