[事例ニュース]
設備点検用アプリを担当者が内製開発、年間220時間を削減─愛知県の社会医療法人
2025年8月26日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三
社会医療法人大雄会(本社:愛知県一宮市)は、設備点検業務からアナログ作業を廃し、年間で220時間の工数を削減した。アステリアのローコード開発ツール「Platio」を導入し、担当社員が設備点検用のモバイルアプリケーションを内製開発している。アステリアが2025年8月25日に発表した。
愛知県一宮市の社会医療法人大雄会は、創業100年の歴史を持ち、愛知県で最初に認定された民間総合病院である総合大雄会病院など、県内で複数の医療・介護施設を運営している。
同社では、設備故障の早期発見などを目的に、4拠点で合計7箇所の電気・ガス・水道などのメーターを毎日検針している。検針作業は、2人体制で毎日6時間かけて実施し、使用量などの結果を紙に記録した後、Excelに転記していた。
しかし、紙からExcelへの転記は非効率で、検針と記録に人手を介することで記載・入力ミスがしばし発生。また、検針現場では過去の履歴データを参照できないため、異常値かどうかを点検中に認識できなかったという。

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こうした課題を解消するため、点検業務全体のデジタル化を目指し、アステリアのローコード開発ツール「Platio(プラティオ)」を導入。同ツールを用いて担当社員が設備点検用のモバイルアプリケーション「施設管理アプリ」を内製開発した(画面1、関連記事:アステリア、「Platio」で開発したモバイルアプリがAndroidタブレットで動作可能に)。
施設管理アプリにより、施設内7箇所の点検結果報告がタブレットへのデータ入力で完結するようになった。紙に記録した情報をExcelに転記するといったアナログ業務が廃されたことで年間220時間以上を削減、手書きや転記による人的エラーも減り、データの信頼性向上につながっているという。
合わせて、点検結果がしきい値を超える場合に赤色でアラートを表示し、異常の発生を現場で担当者に通知する仕組みを構築。異常を現場で認識できるようになり、設備トラブルの予兆検知・解決が迅速になった。また、アプリから過去の点検データにもアクセスできることから、トラブル時の調査や検証の効率も向上したという。
「Platioは、ローコードでアプリケーションを作成でき、設備の仕様に応じた点検項目の追加・変更も容易。設備点検担当者がアプリを改修するなど、現場の業務に則した改善も可能になった」(同社)