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一村産業、コンポーザブルERPで事業部門ごとの固有業務をモジュール化、Fit to Standardから脱却へ

テイラーのコンポーザブルERPを採用

2025年8月29日(金)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

東レグループの中核商社、一村産業(本社:大阪府大阪市)は、2026年春に新しいERPシステムを稼働開始して、既存システムによる標準業務から脱却する。コンポーザブルERPアーキテクチャを特徴とするテイラーの製品を導入して、繊維と住宅資材という異なる事業領域の固有業務をモジュール化し、API経由で組み合わせて利用する。テイラーが2025年8月29日に発表した。

 一村産業は、繊維、産業資材、住宅資材などを手がける東レグループの中核商社である。同社はこれまで、ERPアプリケーションパッケージ「SAP ERP」によるERPシステムをオンプレミスで運用してきた。近年は事業領域の拡大に伴って、部門ごとの個別の業務要件が増え、ERPパッケージに備わる標準の構成・機能では対応が難しくなっていった。以下の課題が顕在化したという。

  • 複雑化する販売管理業務:繊維と住宅資材という異なる事業領域を抱え、それぞれの事業特性に合わせた管理を1つの統合パッケージで行うことが難しい。
  • システム改修コストの増大:ERPパッケージでは機能追加やカスタマイズに長期間と高額なコストが発生する。
  • 将来への拡張性不足:AIやSaaSとの連携を見据えた基盤設計が難しい。

 こうした状況を改善するために、コンポーザブルERPアーキテクチャを特徴とするテイラーの支援を得て、ERPシステムのアーキテクチャレベルからの刷新を検討。会計業務には標準的なパッケージを使いつつ、繊維事業部門と住宅資材事業部門を中心とした販売管理システムをAPI経由で組み合わせる構成とし、事業部門ごとの固有業務をそれぞれモジュール化して、APIでモジュールを組み合わせて運用するという構成を描いた。

 テイラーは、米国本社(Tailor Technologies)と日本に拠点を置く、2021年設立のスタートアップ。大手企業が抱える硬直化したERP/基幹業務システムの問題を解決するため、「ヘッドレスERP」と呼ぶコンポーザブルERPアーキテクチャのシステムを提供・構築支援している(関連記事テイラー、「Omakase ERP」をリリース、機能と画面を切り離した“ヘッドレスERP”でAPI連携を容易に)。

図1:コンポーザブルERPアーキテクチャに基づく「ヘッドレスERP」の概念図とUIのイメージ。バックエンドのロジック層(注文、在庫、ワークフローなど)とフロントエンドのUI層が分離しているため、ユーザーの業務に合わせた構成・機能を実現しやすい(出典:米Tailor Technologies)
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 ヘッドレス/コンポーザブルERPを採用した新システムにより、一村産業は、ERPパッケージの基本方針とされるFit to Standard(業務を標準機能に合わせるアプローチ)からの脱却を図る。「従来のERPでは、繊維事業部門と住宅資材部門が画一的な業務プロセスに縛られ、互いの強みを活かせていなかった。次のERPでは、基盤となる管理は共通化しつつ、各事業部門が独自の強みを発揮できる仕組みにする」(同社 システム部次長の辻村昌之氏)

 要件定義から稼働まで約3年のプロジェクトを進めており、2026年春に導入が完了する予定。並行して、経営データや販売データを分析するAIエージェントを導入することに取り組む。このほか、ファクスの注文対応の業務負荷を軽減するためのAI-OCRの活用や、ERPと直結した取引先向けインタフェースの提供などを計画している。

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