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大日本塗料、17年間稼働のSAP ERPを「S/4HANA Cloud」で刷新、業務を見直してアドオンを3割削減

2025年10月1日(水)IT Leaders編集部、日川 佳三

大日本塗料(本社:大阪府大阪市)は、2008年に導入したオンプレミスの「SAP ERP」をクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」で刷新した。移行を機に業務プロセスを見直し、約100本あったアドオンの約30%を削減している。システム刷新を支援したTISが2025年9月30日に発表した。

 大日本塗料(DNT)は、1929年創業の三菱グループに属する総合塗料メーカー。東京スカイツリーや明石海峡大橋などに同社の塗料が使用されるなど、特に橋梁やプラントなどを長期保護する重防食塗料分野で国内トップクラスのシェアを持ち、インクや建材、自動車補修用塗料など幅広い製品を提供している。

 同社は、基幹システムとしてSAPジャパンの「SAP ERP(ECC6.0)」を2008年に導入して以降、業界特有の商習慣に合わせてアドオン開発を積み重ねてきた。運用の現場では保守管理作業が複雑化していたのに加え、2027年のECC6.0の標準保守サポート終了が迫っていた。

 そこで、基幹システムをクラウドに移行するプロジェクトが始動。TISの支援の下、クラウドERP「SAP S/4HANA Cloud Private Edition」を導入した。長年蓄積してきたERP資産を活用しながら、運用効率の向上やDX推進の加速などを実現する体制を構築している。

 刷新プロジェクトは2022年10月に開始し、2025年1月に完了、新システムの稼働を開始した。移行にあたっては、各部門の業務プロセスをゼロベースで見直し、不要な業務の削除や手順の見直しを徹底。約100本あったアドオンの内容や利用状況を分析し、業務に不可欠な約60%は移行、今後の成長に向けて必要な約10%は新たに設計・開発、不要な約30%は廃止している。

 クラウドERPへの移行により、保守性や運用効率が向上し、ユーザーの側では経営状況の可視化などにERPデータを活用しやすくなったという。「ECC6.0の時代から将来のデータ活用を見据えて追加していたデータ項目が、S/4HANA Cloudへの移行によって取り出しやすくなった」という。

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