化粧品や健康食品を製造・販売するファンケルは、店舗における接客業務を高度化する道具として、タブレット端末を採用した。単なる最新トレンドへの追従ではない。製造や物流といったバックエンドのシステム整備に続き、顧客接点で発生する情報を一元化しようという数年来の取り組みの延長だ。デバイスの特性が、業務とぴったり合致した。 聞き手は本誌編集長・田口 潤 Photo:陶山 勉

- 渡辺 拓人 氏
- ファンケル 情報システム部コーポレートシステムグループマネージャー
- 1998年4月ファンケルに入社。コールセンター関連業務を経験した後、2003年11月に情報システム部に配属。通信販売システム、インターネットシステムなどの開発や運用保守業務を担当。2009年より次期顧客管理システムプロジェクト構想に参画し、統合マスターや顧客カルテシステムなどのチャネルシームレス基盤の構築に従事している

- 前田 弘之 氏
- ファンケル 営業戦略室 戦略推進グループマネージャー
- 1999年4月、ファンケルに入社。情報システム部門において通信販売システムや流通・物流・ERPシステムの構築を歴任し、2010年5月営業部門に異動。カタログ通販・ネット通販・直営店舗などの直販チャネルにおけるシームレスな営業活動の立案と、ITを活用した新たなマーケティング戦略の構築を推進している
─全国の販売店にタブレット端末を導入したと聞きました。
前田:2012年3月、177店舗に東芝製のAndroidタブレットを配布し、活用を開始しました。顧客1人ひとりのデータを見ながら接客できるようにするためです。
─単にタブレットを導入しただけではなく、その前に顧客管理のあり方を大幅に見直したようですね。
渡辺:はい。現在も進行中の「次期顧客管理プロジェクト」のことですね。
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