大競争時代のデータ活用のゴールは 顧客の“エクスペリエンス”向上 ビッグデータやデータマネジメントは、企業活動にこれまで以上に高い収益と顧客満足をもたらす。ただし、漫然と取り組むだけではイノベーションを起こせないのも事実である。今後のビジネスの成否の分け目となる“カスタマーエクスペリエンス”をテーマに、その獲得と向上を実現していくための実戦的データマネジメントの方法論を語った。
製品事業統括 製品戦略統括本部
シニアプロダクトラインマネジャー
岩崎 将之 氏
企業を取り巻く環境は激しく変化している。B2BとB2Cとの混在、インターネット通販とリアル店舗との間での顧客の奪い合いなど、競合は熾烈さを増しており、今まで以上にビジネスの規模とスピードが問われる時代となった。こうした状況を見据えて日本オラクルの岩崎氏は、「市場の声を、ますます見過ごせなくなっている。顧客が体感するエクスペリエンス(経験)の良し悪しが、ビジネスを継続的に成長させられるかどうかの分かれ目だ」と強調した。
岩崎氏によると、「より良いカスタマーエクスペリエンスのためならば、多少の出費はいとわない」という消費者は86%に達する。ところが、「期待通りのエクスペリエンスを常に感じている」という消費者は、わずか1%しかいない。「ひどいエクスペリエンスを感じた場合に他社から購入する」と答えた消費者は89%にのぼる。
つまりは、品質や機能といった商品やサービスそのものの価値以上に、購入したり使用したりする過程のエクスペリエンスから得られる価値が、より重要な要件となっているのである。「個々の顧客の目線に立ち、どんなエクスペリエンスを提供するのか。それを徹底的に掘り下げていくところに、ビッグデータやデータマネジメントの技術を使うべきであり、それがビジネスの成功要因となる」(岩崎氏)。
ビジネスの持続的成長を実現するカスタマーエクスペリエンス戦略
このアプローチを具現化するIT基盤はどうあるべきか。岩崎氏は、情報活用の阻害要因を払拭する重要項目として、マスターデータマネジメント、データ連携、データベース統合、インフラ統合といったキーワードを挙げた。
具体的には、構造化データ、非構造化データ、キーバリューデータまで、さまざまな種類に対応できるデータストアの仕組みが必要となる。「当社は、そうしたビッグデータ活用を高速、大容量、低コストのコンセプトで支えるプラットフォームを用意している」と岩崎氏。「Oracle Big Data Appliance」「Oracle Exadata」「Oracle Exalytics」などエンジニアード・システムズと呼ぶ一連の製品がそれであり、様々な構造のデータの蓄積・加工処理、超高速データベース処理、思考スピードでのBIやレポーティングを実現することを謳っている。
こうしたIT基盤を活用しつつ、差異化できる価値やその適切な提供方法を探るため、「感情的なニーズ」(顧客にとって重要なもの、意味があるもの)、「取り急ぎのニーズ」(今の目標、すぐ片付けたいこと、済ませたいこと)、「先々のニーズ」(将来のこと、今後やりたいこと、欲しいこと)といった3つのレベルからニーズを深耕していく。さらに、その結果として得られた様々な知見に基づいて顧客との「約束」(Brand Promise)を設計していくというのが、岩崎氏の提示するカスタマーエクスペリエンスの基本戦略である。
「常に顧客になりきって考え、顧客起点で行動を組み立てていくことが、最も重要なポイント。例えば、カスタマーエクスペリエンスの相関関係を“地図”に描いてみる、すぐにやるべきもの/そうでないものの優先度を決める、想像・デザイン・実行を何度も繰り返すといったプロセスから、成功へのゴールが見えてくるはずだ」と、エールを送った。
お問い合わせ
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.com/jp
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