パフォーマン劣化と複雑なデータ連携の課題を解決する 大量データ活用のための新しいアプローチ ビッグデータ時代の大量データ処理は、Hadoopだけに注目していれば良いという訳ではない。Hadoopが証明したスケールアウト型の考え方は、分散NoSQLやデータグリッドでも驚異的なパフォーマンスを発揮する。さらに、既存データは連携するのではなく仮想的なデータベースとして活用するなど、大量データ活用の時代に相応しい新しいデータ処理の手法をレッドハットが説いた。
製品・ソリューション事業統括本部
ミドルウェア事業部 事業部長
岡下 浩明 氏
大量データ活用に関わる企業の悩みは深刻さを増している。レッドハットの岡下浩明氏は「1つは求めるパフォーマンスが得られないことであり、もう1つがデータの連携が複雑過ぎることだ」と指摘する。
大量データを扱うアプリケーションの性能低下については、DBやミドルウェア層への負荷集中が原因になることも少なくない。その場合、各種のチューニングを施すのが通例だが、「劇的な改善が見られるのは稀で、2〜3割がやっと。CPUやメモリーの追加も一時的な手段に過ぎない」と岡下氏。
このような課題を解決する技術で注目されているのが「NoSQL/データグリッド」である。Hadoopで効果が実証されたスケールアウトアーキテクチャは、分散KVSにおいても有効である。つまり、リニアにストア領域を増強できる特性があり、並列にデータ処理ができるMap/Reduceの実装も保有する。「最近ではNoSQLの耐障害性が向上し、クラウド時代の到来と相まってデータストアの世界に革命を起こしている」(岡下氏)と語る。
NoSQL/データグリッドのツールとして同社が提供しているのが、「JBoss Data Grid」である。「リニアにスケールアウトできるKVSを提供するインフラ。多彩なクライアントから利用でき、データの二重化やトランザクション対応などの耐障害性対策も施され、動的にノードを追加できるなど拡張性も高い」と説明する。
データ連携の複雑性を解決する注目技術 "データの仮想化"
次にもう1つの課題であるデータ連携の複雑さを如何にシンプルにするかを説いた。一般的に他システムにあるデータが必要な場合、データファイルの転送やSOAによる連携、MDMの構築などの策が採られる。しかし、いずれの方式も物理的なデータモデルの再構築、データの転送・複写などが必要になり、複雑さは増すばかりだ。
このデータ連携の複雑さを解消するのものとして同社が訴求するのが 「データ仮想化」だ。「求めるデータモデルを既存のデータソースからオンデマンドで構築する。一般的に概念データモデルから物理データモデルを導くトップダウンなアプローチではなく、複数の既存データソースのスキーマからボトムアップに求めるデータモデルを構築できることがデータの仮想化の最も大きな特徴。ビジネスニーズに迅速に対応することができる」とする。
このデータ仮想化を構築する基盤として同社が提供しているのが「JBoss Enterprise Data Service Platform」だ。企業内外のあらゆる既存データソースを仮想的に統合し、リアリタイムに連携させることができる実行基盤である。仮想化アプローチでデータの構造や項目を変換するため、データをコピーすることなくデータの統合を実現する。そのため、求めるデータが容易に取得でき、利用度も向上する。データモデル変更時の影響も最小化される。
「リニアにスケールアウトできるNoSQLデータストアの活用でパフォーマンスの問題を解決するデータグリッドと、既存データソースからオンデマンドにデータモデルを構築できるデータ仮想化は、大量データ活用のための新しいアプローチ」と岡下氏は強調して、講演を終えた。
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レッドハット株式会社
http://jp.redhat.com/products/jbossenterprisemiddleware/
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