ビッグデータ時代に求められる データ処理基盤を考える ビックデータ時代が本格的に幕開けた。2020年には40ゼタバイトのデータが存在するとまでいわれている。この膨大なデータを今のテクノロジーで扱うことができるのか。企業活動にデータを活用するという意味では、答えは否であり、新しい道具が必要とされる。こうした状況を受けて、データを取り巻く課題と次世代のデータ処理基盤のあるべき姿が紹介された。
BPE事業本部 ソリューション アーキテクト
坂本 真吾 氏
金融、製造、サービス、購買、計測…。あらゆる業種や業務において膨大なデータが発生し、そのバリエーションも多様化が加速している。これらの、いわゆるビッグデータを活用することで付加価値を生み出し、業務を効率化し、新商品や新サービスの創造につなげることができる。そこで求められるのは大容量のデータに超高速でアクセスすることだ。
「ビッグデータの活用は実験段階ではなく、すでに実践され、大きな変革につながっている。しかし、課題もある。ボリューム、速度、多様性、そしてコストだ。この4つの課題を同時に解決しなければならない」とソフトウェア・エー・ジーの坂本真吾氏は指摘する。
これらの課題をどうクリアしていくのか。同氏は海外の先進事例を挙げて説明した。オンライン取引の不正を検知することで数百万ドルの効果を挙げたオンライン決済サービス企業、データのアクセス時間を83%短縮して新規ビジネスの獲得につなげたポイントカード企業、オンラインショッピングサイトの使い勝手を改善して売上増加を実現したスポーツ用品メーカーなどだ。
こうした事例で採用されているのが同社の提供するインメモリーデータマネジメントソリューションである「BigMemory」。50万件以上の実装実績があり、グローバル2000の過半数が導入しているという。「新しいデータが日々100GB増えてパフォーマンスが低下していた最高米国法執行機関では、BigMemoryを導入して高いパフォーマンスを実現し、犯罪の傾向や多発する地域をタイミングよく特定できるようなった」と坂本氏はその効果の一端を紹介した。
3つの要素の組み合わせでリアルタイムにデータを活用する
数百GBクラスのデータを、追加投資を抑えつつ高速に処理できるBigMemory。この基盤でビッグデータの活用が始まっているが、この先も対象となるデータ量は爆発的に増加していく。それにどう対応するのか─。坂本氏はこれからの変化にも対応できる次世代データ処理基盤のポイントを解説した。
「当社が提唱しているのは、インモメリーとそれ以外のいくつかの手法を組み合わせる方法」と同氏。まず、超高速なアクセスと効率的な管理を実現するために、ビジネスを加速させる鍵となるデータはすべてインメモリーに置く。さらに、データの収集と配信を高速化するために低テイテンシーのメッセージングに接続。最後に、インサイトとインテリジェンスのためのリアルタイム分析を追加するアプローチだ。この3つのステップによって、データを集めて、高速に処理し、意思決定に活用するといった、次世代のデータ処理基盤の姿が見えてくる。
今年の7〜9月期には、この3つの要素を1つにした製品が同社からリリースされる予定だ。それが「Terracotta In-Genius」である。「例えば、スーパーを訪れた消費者に、購買履歴や属性に応じて、ニーズに合った商品の情報をリアルタイムで届ける、といったサービスを提供できるようになる」と坂本氏。ビッグデータの収集と高速処理、そしてリアルタイムな分析が新しい付加価値を生み出すことが、ぐっと身近なものになってくる。
お問い合わせ
ソフトウェア・エー・ジー株式会社
http://www.softwareag.com/jp/products/terracotta/default.asp
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