[中国電脳事情]

【中国電脳事情セレクション】中国、擬態コンピュータの開発に成功、ほか

2014年2月3日(月)足立 治男

中国の主要メディアの報道から、中国国内のIT・テクノロジー関連の最新動向をご紹介する、中国電脳事情。1カ月間に報道された中国国内の主要なニュースを取り上げる。

中国、擬態コンピュータの開発に成功

─南方都市報(9/22)

 「ミミックオクトパス」という海域生物は、自身の姿をウミヘビ、ミノカサゴ、ヒトデ、カレイ、エイ、イソギンチャク、クラゲなど様々な海域生物に擬態することができるという。では、「擬態コンピュータ」とは何か? それは、生体工学や認知科学と現代情報技術を融合して生み出された新たな計算理論で、ハードウェアの構造を動的に変更させることが可能という。

 このプロジェクトは、「新概念高エネルギー効率コンピュータ体系構造およびシステム研究開発」と名付けられ、科学技術省と上海市政府の全面支援の下、中国工程院の研究グループと、国内外から十数社の研究機関と500名以上の研究者が集結し、6年もの歳月をかけてようやく完成にこぎ着けた。9月21日には中国が国策として進めるハイテク技術の研究開発事業である「国家863計画」の審査も通過している。

 中国工程院によると、擬態コンピュータの設計におけるインスピレーションは上述のミミックオクトパスからきているという。一般的なコンピュータのハード構造は当然固定されており、計算の必要に応じて変形できるのはソフトウェアだけだが、「擬態コンピュータ」は計算の必要に応じて自主的によりふさわしいハード構造へと動的に変更させることができる。その結果、エネルギー効率を一般的なコンピュータの十数倍から百倍以上にまで高められるという。この技術が今後どのように応用されるかが興味深い。

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