監視カメラに映る人物の「顔」を認識し、不審人物として登録しているデータと一致すれば即座にアラートを発する。システム開発を手がけるCLOVERSがこんな製品を発表した。
万引き被害はなかなか減らず、時にはコンビニ強盗のような凶悪事件の報道もある。性善説に立った経営が難しさを増す中で、自店にたびたび訪れる不審者への備えを強化したいとのニーズが小売店を中心に高まっている。
こうした背景の下、システム開発を手がけるCLOVERSが顔認識技術を使った監視システム「LYKAON」の提供を開始した。店舗内に監視カメラを設置し常時記録を続ける例は珍しくないが、それを一歩進めて、不正の未然防止につなげることに主眼を置いている。
日々記録している動画の中で、店側が不審人物と考える対象者が映っているシーンから顔画像データを事前登録しておく。システムは撮像に対して常に顔認識をしており、それが不審人物として登録されているデータと一致すれば瞬時にアラートを出すというのが基本的な仕組みだ。
製品は、監視カメラと、検知アラートを担うハード/ソフト一式で構成。アラートは、レジ周りに設置するディスプレイへの表示や警告灯点灯などの方法に加えて、スタッフの携帯電話へのメール通知などにも対応する。
カメラのズーム機能との併用で20メートルの距離からでも顔認証が可能という。そのほか、年齢や性別を推定する機能を用意。また複数の店舗間で登録データを共有するオプションもある。
「監視」と考えると発想がネガティブになりがちだが、視点を転じれば、上得意のリピーターが来店した際にスタッフがいち早く対応するなどの用途にも使えるだろう。