クラウドコンピューティングの利用が広がる中で、ネットワークの仮想化が進展している。SDN(Software Defined Network)である。サーバーやストレージの仮想化に続き、ネットワークも仮想化することで、より柔軟なITプラットフォームの構築を可能にする。仮想ネットワークを実現するには、エンドツーエンドで光ファイバーや無線通信など複数のネットワークが連携していることまでを考えなければならない。
2014年2月13日と14日の2日間、東京・お茶の水で「OpenStack Days Tokyo 2014」が開催された。クラウド環境を構築するためのOSS(Open Source Software:オープンソース・ソフトウェア)であるOpenStackの国内イベントである。前年を上回る1500人以上が来場し、活発な発表が続いた。ちなみに、Openstackコミュニティへの参加者は現在、132か国1万4160人である。
Openstack Days Tokyoの今回の特徴は、日本における事例紹介が始まったことだ。グリー、ヤフー、GMOインターネットグループのそれぞれが、Openstackの使用を始めているという。中でもグリーは、2013年5月からOpestackの商用環境での活用を始めている。NECもこの4月からOpenstackを使ったIaaS(Infrastructure as a Service)を開始すると発表した。日本でもOpenstackが急速に浸透しつつある。
ソフトウェア技術が企業の競争力を左右
Openstack FoundationのCOO(Chief Operation Office:最高執行責任者)であるMark Collier氏は、世界初のブラウザ「Mosaic」を開発した起業家Marc Andersen氏の『Software is eating the world』という論文を引用し、仮想化とクラウドの活用がますます進むと示唆する。アプリケーションだけでなく、アプリケーションが動作するプラットフォームにおいてもソフトウェアが果たす役割が、ますます大きくなっていく。ソフトウェア・テクノロジの活用が企業の競争力を左右する時代が訪れたのだ。
プラットフォームのソフトウェア化で今、最も注目されているのがネットワーク分野である。サーバーやストレージは仮想化が進み、リソースのダイナミックな活用や集中管理、プロビジョニングの自動化が進んでいる。だが、ネットワークの仮想化はこれからだ。
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