[愛されるモバイルアプリを作るための7つの質問]

スマホアプリはどんな開発会社に発注すべきか?:第4回

2014年3月26日(水)緒方 啓吾(IT Leaders編集部)

今や、モバイル活用は企業ITの最重要テーマの1つ。しかし、モバイルアプリの開発には全く土地勘がないという読者も多いのでは。分からないことは先達に尋ねるのが一番だ。本連載では、ニフティ、はてな、GREEでコンシューマ向けサービス開発の最前線に立ってきた伊藤直也氏に、モバイルアプリ開発の定石を聞く。(緒方 啓吾=IT Leaders編集部/監修:伊藤直也)

コンシューマ向けサービス開発に学ぶべきものは多い

 内製するにせよ、外注するにせよ、技術者を調達するにあたっては、モバイル開発に精通している人材を選ぶべきことは言うまでもない。コンシューマ向け分野の開発は、企業ITの世界と全く違う進化を遂げている。市場環境が厳しく、企業ITほど予算も豊富ではない。限られたリソースで、ユーザー満足を追求するために、開発プロセスを徹底的に洗練した結果だ。

 リーンスタートアップや、アジャイル開発はその1つ。開発や運用も徹底的に自動化、効率化してきた。定型作業をコンピュータに任せ、開発者は生産的な活動に集中している。

 例えば、CI(Continuous Integration:継続的インテグレーション)もそうした取り組みの1つ。コードのレビューやテスト、ビルドを自動化する。GitHubなどのバージョン管理ソフトと接続して、ソースコードを変更する度に、テストを自動実行する。異常があればメンバーにメールが自動的に届く。テストに割く工数を減らしつつ、品質も担保するための仕組みだ。

図2:限られた時間と人手でサービスを運営するために、開発・運用プロセスを徹底して自動化してきた
図2:限られた時間と人手でサービスを運営するために、開発・運用プロセスを徹底して自動化
開発者が本来力を注ぐべき作業に集中できるようにしている

 こうした取り組みを重ねた結果、モバイルアプリ開発者の生産性は高まっている。例えば、Facebookが買収した写真共有サービス「Instagram」。2012年時点で700万人のユーザーをわずか4人でサポートしていたことはよく知られる。はてなは、100万ユーザーを約50人でサポート。グリーは3000万ユーザーに対し、エンジニアが100人程度だった。

 彼らに伍して戦うためには、彼らに徹底的に学ぶ必要がある。

監修者プロフィール

伊藤直也(いとう なおや)
ニフティ、はてな(取締役 最高技術責任者)、グリー(ソーシャルメディア統括部長)を経て、2012年4月よりフリーランス。ブログやソーシャルブックマーク、モバイルアプリなど消費者向けサービスの開発・運営に一貫して携わる。現在はWebサービス事業者やシステムインテグレーターへのアドバイザリー業務なども行う。著書に『入門Chef Solo』(Kindle Direct Publishing)『サーバ/インフラを支える技術』『大規模サービス技術入門』(いずれも技術評論社)などがある。

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