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「最新ITでメインフレームはさらに進化する」System/360の50周年でIBMがアピール

2014年4月14日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

IBMメインフレームはクラウド、モバイルを取り込み、原子ストレージや量子コンピューティングを可能にする方向に進化する─。日本IBMは多数の顧客を招いて「System/360」の50周年の記念イベントを開催。メインフレームの将来性をアピールした。果たして、その中身はいかなるものだったのか。

 Anzani氏の言葉を続けよう。「1990年前後に始まるオープン化の流れの中でも、今日のクラウドにおいても、メインフレームはユーザー企業の支持を得ています。IBMはメインフレームに関する継続的な研究開発とイノベーション、新しい用途の開拓などに、さらに投資を強化します」。安価なIAサーバーを大量に利用し、ソフトウェアで性能や信頼性、可用性を担保するアプローチに対し、それが唯一の解ではないことをアピールしたのだ。

 もちろん原子ストレージや量子コンピューティングなどを、メインフレームの機能要素としてだけ提供するとは限らない。むしろPureSystemsなどIAサーバーに接続するアクセラレータのような形で提供する可能性の方が高い。しかし、そうであっても、メインフレームがコンピュータ技術革新を先導すると言い切り、具体例として原子レベル・ストレージや光回路、ニューロ・シナプス・チップ(/articles/-/10825を参照)などに言及できるのは、自社でこれらを研究開発しているIBMだからこそと言えるだろう。

 IBM Mainframe 50ではAnzani氏のほかにも、日本IBMのマーチン・イエッター社長や大島 啓文氏(システム製品事業本部サーバーセールス事業部長)も、メインフレームの利点を語った。IBMがこの日に示したメインフレームの優位性を要約してみよう。

  • 「メインフレームといえば『古くて高価』という、誤った印象があります。実際にはSystem zではJavaが稼働し、WindowsもUNIXもLinuxも動きます。1台でこれらをカバーできる点で『究極のオープンシステム』と言えます」(本誌注:Windowsなどの稼働にはzEnterprise BladeCenter Extensionという拡張機構が必要)
  • 「仮想化によるサーバー統合、パブリッククラウドについても、仮想サーバー台数が200台を超えるとSystem zが断然、有利になります。運用管理(やTCOの面)で、zこそクラウドマシンです」(写真4)
  • 「ファイブナインの堅牢性、軍事レベルに準ずる信頼性において、zに勝るものはありません。例えば、クレジットカードのVISAは20年以上にわたりダウンタイム・ゼロを実現しています」(写真5)
  • 「今回の発表(後述)により、モバイルコンピューティングやビッグデータに対応しました。すでに専用のデータ分析機構(DB2 Analytics Accelerate)もあり、ハイエンドのアナリティクスに応えます」。

写真4 仮想サーバーが多くなるとSystem zによるクラウドが有利

写真5 ファイブナインの堅牢性と軍事に耐えるセキュリティ

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IBM / System/360 / 量子コンピュータ / IBM z

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