マーケティング活動を取り巻く環境は、ここ数年、目まぐるしい勢いで変化しています。デジタル時代に効果的なマーケティング施策を立案・実行するための基礎となるマーケティングテクノロジーを解説する本連載。前回は、デジタルマーケティングの最新動向を見てみました。今回は、マーケティングテクノロジーが対象にする「マルチチャネル」について説明します。
前回は、企業ITにとってマーケティングテクノロジーが重要になった背景と、考慮すべきポイントを俯瞰しました。デジタルメディアの普及により、消費者を取り巻く環境が急激に変化しているため、企業も、その変化に対応したアプローチを取らなければならないのです。アプローチ手段となるのが、マーケティングテクノロジーが対象にする「マルチチャネル」です。
「チャネル(経路)」と聞いて、すぐに思いつくのが、販売チャネルではないでしょうか。企業のビジネスモデルは大きく、B to C(企業対個人)とB to B(企業間)に分けられます。B to Cの販売チャネルは、直営店や、小売店、量販店、そして今ではすっかり市民権を得た「オンラインショップ」などです。
B to Bの販売チャネルは、自社の営業担当者や、子会社や関連会社、販売代理店や提携企業などが挙げられます。B to B to C(企業対企業対個人)になると、卸や取次事業者、流通事業者が販売チャネルに加わります。
これらの販売チャネルを支援する企業ITとしてはこれまで、POS(Point of Sales:販売時点管理)や、SCM(Supply Chain Management:サプライチェーン・マネジメント)、SFA(Sales Force Automation:営業活動支援)、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)、SRM(Supplier Relationship Management:調達管理)といった仕組みが利用されてきました。
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