[IT人材育成[戦略と実践]]

スキル標準は「70点主義」で活かせるところから始める―IT人材育成[戦略と実践](9)

2014年5月15日(木)高橋 秀典

今日の情報システムは企業を支え、ビジネスを戦略的に遂行するための武器でもあります。その構築・実現を担うIT人材の育成は、あらゆる企業にとっての最重要課題にほかなりません。本連載では、企業のITリーダー=IT戦略・情報システム責任者が、いかにしてIT人材育成・活用を推し進めていけばよいのかを掘り下げていきたいと思います。

 現在では、CCSF(共通キャリア・スキルフレームワーク)に代表されるスキル標準の導入・活用について各企業において様々な取り組みがなされるようになりました。IPAやスキル標準ユーザー協会によるセミナーやワークショップの開催など、各種の普及活動が功を奏して、今がまさに盛り上がろうとしている段階です。

 スキル標準の中でも、最も歴史のあるITSS(ITスキル標準)については一回りしてキーワードとして定着した感があります。しかしながら、導入に取り組んだものの十分な成果を上げられずにいる企業も多いということはご存じでしょうか。

 ITSSが登場したばかりの2003年当時、数少ない企業導入事例のほとんどが、人事制度にITSSを組み入れたというものでした。現在、その当時の事例が取り上げられることはほとんどありません。また私の知るかぎり、取り入れた仕組みを継続・維持できている企業もほぼ皆無という状況です。

スキル標準導入にまつわる過去の失敗事例

 次に示す4つの“失敗事例”は、今回調べてみると、そのまま続けていながらフェードアウトしようとする雰囲気で有名無実であったり、担当者が替わっていて事実上活用を取り止めてしまっていたりというような状態でした。

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