IT部門に欠かせない5つの内製機能のうち「テクニカル機能」を詳しく解説する。玩物喪志という諺よろしく、ともするとテクノロジードリブンの発想で、IT戦略が迷走しているケースも少なくない。社内のIT部門の価値を、技術的スキルの側面で再考してみよう
前回は、IT部門が必須とする5つの内製機能のうち、1つめの「戦略企画機能」を取り上げました。経営や部門が抱える課題を理解し、IT部門として積極的にその改善策を策定する内製機能と、その補助機能である4つ──「集中と分散についての分析機能」「各地域ビジネス知識」「Global戦略の把握機能」「管理会計の基礎知識」──についても具体的な例を挙げて説明しました。
今回のテーマは、IT部門が持つべき必須内製機能の2つめである「テクニカル機能」。これには「IT部門として当然持つべき機能であり、あえて説明は不要では?」という声も聞こえてきそうですね。ただ、この機能は皆さんが通常考えるであろう「システムの実装に不可欠なテクニカルスキル」とは少し趣を異にしています。以下、私なりに考える「テクニカル機能」について説明しましょう。
テクニカル機能
必須機能 | 先を下支えする補助機能 |
テクニカル機能 | ●鳥瞰的なアーキテクチャの把握 ●技術をベースにトレンドを読む機能 ●地域別の実務特性に基づいたテクノロジーの選択機能 |
内製のテクニカル機能と言うと皆さんは一般的に、「インフラストラクチャ構築やアプリケーション開発の機能遂行に必須のスキルを持つこと」と定義されるのではないでしょうか? 間違ってはいませんが、技術力があれば本当に企業内IT部門として機能を遂行できるか、といった視点を持つことが肝要です。
皆さんの部下が技術力を習得すればする程、その内容は狭いエリアにより深く入っていくことになります。例えばDBの専門的知識を得るためにDBAのスキルを身に付け、自らDBをチューニングするなどして仕様に応じてパフォーマンスを高める業務にあたっていたりしますね。
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