株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイト(NTTネオメイト)が、「ワークスタイル変革」を旗印にソリューションの拡充に力を注いでいる。同社の優位性は、NTT西日本グループのIT部門として活動する中で、3万5000台という“超大型”案件の仮想デスクトップ導入を完遂させ、数々のノウハウを蓄積していることにある。その強みは、スマートデバイス関連にも水平展開されている。
“かゆいところに手が届く”ノウハウを蓄積
NTTネオメイトならではのノウハウの実体とはどんなものなのだろうか。仮想デスクトップを例に、いくつか挙げてみよう。
まずは構成やサイジングといった設計時のポイント。一定水準以上のスキルを持った“プロ”が一様に「これで間違いない」とする設計だとしても、全ユーザーが一斉にソフトウェアのアップデートを開始するようなことがあればパフォーマンスが極端に落ちることがあり得る。NTT西日本のケースでは実際に似たようなことが起こったという。サーバーサイドでの管理方式の最適化や、アプリケーションごとの設定をチューニングすることによって、安定的に稼働させることに道筋をつけた。
「今にしてノウハウというと聞こえは良いのですが、当時はユーザーから随分とお叱りを受けました。“想定外”と言い訳することなく、どうしたら快適に使ってもらえるか。それはもう大変でしたけど、試行錯誤を繰り返す中で、パターン別の対策といったものを整理することができました」とは、NTT西日本における3万5000台規模の案件で設計構築~運用に携わってきた前野秀彰氏(仮想化技術センタ)の弁だ。
旧来のPC環境からの移行にも気を遣うべき点は多い。何より、通常業務を長時間止めるわけにはいかない。ユーザーが、所定の手順に従ってシンプルな操作をすれば新環境が立ち上がるようでなければいけないし、それまで使っていたデータを漏れなく引き継ぐことも不可欠だ。例えばオフィスを引っ越しするとなると、細部まで考え抜いたマニュアルと指揮系統がなければ配送やレイアウトのミスが頻発し大きな混乱を招く。それとまったく同じことが、仮想デスクトップへの移行にも当てはまるのだ。
細かいところでは、プリント環境の事前チェックもある。ユーザー別に普段使っているプリンタをヒアリングして適切な設定をしておかなければ、いざ新環境に移った時に、印刷できなかったり予期せぬプリンタから出力されたりといったことが起こり得る。ほかにも、考慮しておくべき点は枚挙に暇がない。
「とにかく、我々はたくさんの壁にぶつかりましたし失敗も経験しました。その都度、問題の回避策や根本的な解決策を探り、組織として共有を図ってきました。これからトライするという方々に先がけて十分な検証を済ませているとも言えるでしょう。それこそが当社の強みなのです」(前野氏)。
同社は今、仮想デスクトップに加え、スマートデバイス関連のソリューション(詳しくは次回解説)においても着々と知見に磨きをかけている。
信頼できるパートナーを見つけることの意義
ワークスタイル変革を旗印に、様々なベンダーが多様なソリューションを市場に投入している。同一カテゴリの商品群を比較検討しようとしても、カタログや仕様表を見る限りでは、なかなか違いが見えてこない。実際に、機能だけに着目すれば、似通ったものも少なくない。
もちろん、気になる製品のことを微に入り細に入り研究することは大切だが、何よりも重要なのは「ニーズを的確に汲み取った最適な提案」「検討段階から導入、運用に至るまでの全面支援」にコミットしてくれるパートナーを見つけることだ。
従業員の業務生産性や働き方の自由度をとことんまで追求する、組織内に即断即決のスピード感を醸成する、先進テクノロジーに身を置いてモチベーションを高める…様々な文脈においてワークスタイルの変革は多くの企業にとっての重要課題。歩を進めるには、世の中にどんなソリューションがあるかを知ること、そして、だれに頼めば安心かを見極める眼力を養うことが欠かせない。その観点で、NTTネオメイトが超大型プロジェクトで培ったノウハウの重みが際だってくる。