「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システムの取り込みの重要性に鑑みて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見を共有し相互に支援しているコミュニティです。IT Leadersは、その趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加しています。同倶楽部のメンバーによるリレーコラムの転載許可をいただきました。順次、ご紹介していきます。今回は、積水化学工業の寺嶋一郎氏のオピニオンです。
ITを取り巻く環境が大きく変わろうとしている。数年前にはバズワードと呼ばれた「クラウド」は、今や当たり前。快適なモバイル環境はタブレットやスマホなどの新端末の活躍の場を広げ、様々な「もの」がインターネットに繋がりつつある。クラウド技術やビッグデータにより復活をとげた人工知能(AI)は近い将来、夢のようなサービスを提供するはずだ。
インターネットの出現が社会を大きく変えてきたように、こうした新たなITの潮流は、社会をこれまで以上に、一層大きく変える。企業活動においても、ITの活用の巧拙がますます大きな影響を与えるはずである。
ならば、IT部門の役割もまた重要になっていくはずなのに、多くのIT部門はなぜか元気がないように見える。新たなITに戸惑い、対応する有効な手立てを打てないでいるかにも見える。
最近、IT部門はビジネス部門から煙たがられているという。クラウドを使いたくて相談に行った。IT部門の答えはセキュリティ上の理由とかで、ろくに検討もせずにNo。埒が明かないと感じたビジネス部門はIT部門を無視し、いわゆる「シャドーIT」なるものが社内に蔓る――。こんな構図だろうか?
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