[データの説得力を高めるインフォグラフィックスの基礎知識]

棒/円グラフだけのプレゼンから卒業!「メッコチャート」で縦と横のカテゴリーを同時比較:第1回

データの説得力を高めるインフォグラフィックスの基礎知識

2015年6月17日(水)川畑 英貴(クリックテック・ジャパン)

「ビッグデータ」に象徴されるように、データを用いた説得が求められています。そのため最近のBI(Business Intelligence)/BA(Business Analytics)では、インフォグラフィックス(Info-graphics)の技術を適用した様々なグラフが作成できるようになっています。データの可視化方法として重要性が高まるグラフについて本連載では、それぞれがどんなデータを可視化するのに適しているのか、そのグラフを作成するために必要なデータ項目は何かなどを解説していきます。棒グラフ/円グラフだけのプレゼンテーションから卒業しましょう。第1回となる本稿では「メッコチャート」を取り上げます。

 「その仮説に裏付けはあるのか?」「相当数の案件があるというが、具体的には何件だ!」──。こんなフレーズを社内の会議で耳にする機会が増えています。そのために、BI(Business Intelligence)/BA(Business Analytics)ツールを導入したり、多くのデータを集め集計用に開放したりといった取り組みも各社が進めています。

 しかし、いざグラフにしようとしてみると、BI/BAツールに用意されているグラフの種類が多数あり、どんな時にどのグラフを使うのが適切かを悩むことが少なくないかもしれません。結局、使い慣れた棒グラフや円グラフしか使わないといった読者もいることでしょう。

 最近のBI/BAツールは、インフォグラフィックス(Info-Graphics)の技術を採り入れ、ビッグデータをどう可視化するかという課題に取り組んでいます。ツールに用意されているグラフは、データアナリストやインフォグラフィックスの専門家によって導き出された“ベストプラクティス”なのです。

 今回から、そうしたグラフの1つひとつについて、その役割と、そのグラフの作成に必要なデータ項目などを説明していきます。例には、QlikTech製BIツール「QlikView」のグラフを挙げていますが、グラフの使い方自体は、どのツールでも基本的に同じです。

 もちろん、棒グラフや円グラフが適切なデータセットもありますが、個々のグラフの役割を理解することで、データの“説得力”を高めていきましょう。今回紹介するのは、「メッコチャート」です(図1)。

図1:メッコチャートの例図1:メッコチャートの例
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メッコチャートの説得力

 メッコチャートは、100%積み上げグラフの1種で、各カテゴリの集計値に応じて横軸のグラフの幅が変化するのが特徴です。「マリメッコチャート(マリメッコグラフ)」と呼ばれることもあります。

図2:100%積み上げ棒グラフでは、横軸の比較はできない図2:100%積み上げ棒グラフでは、横軸の比較はできない
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 各カテゴリのグラフ高さは、通常の100%積み上げグラフ同様、縦軸の合計値に対する割合です。しかし、通常の100%積み上げグラフでは、図2のように縦のカテゴリは比較できますが、横のカテゴリ間の比較ができません。

 メッコチャートでは、横のカテゴリ間を比較できるように、グラフの幅を変えています。1つのチャートで縦と横の両カテゴリを比較できます。加えて、横のカテゴリを全体として見た際の縦のカテゴリの推移も確認できます。

メッコチャート作成に必要なデータ項目

 メッコチャートを作成するのに必要な項目は以下の通りです。

軸の項目:横と縦の2つのカテゴリ項目
数式:集計したい項目の合計値、レコード数、平均など

●Next:どんなシーンでメッコチャートが有効か?

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