IT分野では日進月歩で新しい技術が登場する。その1つが、2年前にはほとんど知られていなかった「コンテナ技術」だ。場所を問わずにアプリケーションを稼働させることができ、機能改良や拡張も容易にするこの技術は、次世代企業アプリケーションのメインストリームになる可能性を秘めている。
わずか1年でこれほどの広がりを見せ、実用に踏み切る企業が出てくるとは驚くべき速さ−−。何かといえば、アプリケーションを可搬にする「コンテナ技術」のことである。
というのも2014年4月に開かれた「RedHat Summit 2014」で米レッドハットは、主力のLinux製品に「Docker」と呼ぶコンテナ技術を実装すると発表。複数のセッションを費やしてDockerやコンテナ関連技術の説明に努めた。将来は有望であるにせよ、当時はまだ未熟な技術だったのだ。
それが、2015年6月23日〜26日に開かれた「RedHat Summit 2015」では一転する。レッドハットは、コンテナ技術を用いて大規模アプリケーションを開発するためのPaaS(Platform as a Service)「OpenShift Enterprise3」と、クラウド環境でコンテナを実行するソフトウェア「Red Hat Atomic Enterprise Platform」を発表した。
同社のポール・コーミア上級副社長は、「2014年はコンテナ自体を説明した。2015年は企業に適用する方法を説明する。それによってWeb開発者の経験を企業の開発者が共有できるようにする。経験とは、スピードと、それがもたらすイノベーションである」と強調する。
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