ITサービス事業者のTISは2015年10月9日、API(Application Programming Interface)によるシステム間連携を実現するためのAPI管理基盤の提供を始めると発表した。API管理用製品「Apigee Edge」を開発する米Apigeeとリセラー契約を締結し、同社製品を中心にAPI管理基盤を構築する。
API管理基盤の中核をなす「Apigee Edge」は、API(Application Programming Interface)を提供する企業のバックエンドサーバー側にリバースプロキシの形で導入するソフトウェア。既存APIにAPI管理層を追加し、システム間に中間層を持たせることで、アプリケーション開発者が望む機能をAPIとして提供できる。既存システムの改修を最小化しつつ、バックエンド機能やデータの取り扱いを容易にする。
開発者にはポータル機能を用意し、テンプレート(ひな形)を提供する。APIドキュメントやフォーラム、ブログを作成・管理できるため、登録ユーザーは、フォーラムなどで情報を共有したり、テストコンソールを使用したりが可能になる。
Apigee Edgeは、「ゲートウェイサービス」「API BaaS(Backend as a Service)サービス」「APIアナリティクス」の機能を持つ。ゲートウェイが、APIを提供するシステムとバックエンドシステムを分断することで、APIを安全に提供できる。
ゲートウェイサービスでは、管理UIからAPIを登録・設定できる。APIの登録においては、セキュリティや呼び出し回数制限、各種変換、キャッシュなどについてポリシーを適用できる。API BaaSサービスでは、ユーザー管理やプッシュ通知など、モバイルアプリケーション特有の機能セットを提供。アプリケーション開発の効率を赤める。
APIアナリティクスでは、ゲートウェイを通ったAPIコールの利用状況と性能を可視化する。課金やAPIの改善など、APIを活用するための環境を整備する。
ゲートウェイを通過する際に、
API管理基盤には、クラウド型とオンプレミス型がある。クラウド型はAPIトラフィックで月間200億コールの処理と99.99%の可用性を持っている。API管理基盤は、Apigee Edgeを中心に、APIアクセスの分析ツールやアプリケーション開発ツールなどの製品群で構成されている。
TISは、導入関連ビジネスを含めて2018年度末までに50億円の売り上げを目指す。