米インフォマティカ日本法人は2015年10月16日、データ管理基盤の最新版「Informatica 10」を2015年第4四半期から提供する予定だと発表した。ハイブリッドクラウド環境における大量データの配信などの機能向上や新機能の搭載を図る。米本社が2015年10月13日に発表したもの。
2015年第4四半期に登場する「Informatica 10」は、データ管理用の基盤ソフトウェア群。データの取り扱いにおける性能や操作性、ガバナンスなどの生産性向上を図る。データ統合基盤の「Informatica PowerCenter」と、データ品質管理の「Informatica Data Quality」、データ連携の「Informatica Data Integration Hub」の3つのコアコンポーネントからなる。
PowerCenterでは、データフローをリアルタイムに可視化できるようになる。利用したいデータがどこにあるかなどが分かることで、データを利用したいビジネス部門とデータを管理するIT部門の連携強化を図る。そのために、データリネージ(データの系統図)の生成性能を従来版の「Informatica Metadata Manager 9.6」から最大50倍高める。
Oracle Exadataや同SuperCluster、SAP HANA、HP Verticaといったデータウェアハウス製品からのデータ採集速度も最大5倍高めるほか、いくつかの新機能は無料提供する。100ユーザー分までのアナリストツールや、リレーショナル/バッチ/JDBC/ODBCデータソースのコネクター、リアルタイムエンジン、データ変換などだ。
Data Qualityでは、データ品質のためのルールを一旦定義すれば、クラウドとオンプレミスの別を問わず、共通に展開できるようにする。ビジネスルール作成機能「Business Rule Builder」の強化により、アナリストやデータ担当者といった業務担当者もデータ品質のルールを決定できるようになる。過去のデータプロファイルと比較して、データプロファイル全体における変更が分析できる。データウェアハウス製品のデータクレンジング機能は最大5倍、高速になる。
Data Integration Hubでは、Pub/Sub(Publish/Subscribe)モデルによりハイブリッドクラウド環境に対応する。ウィザードやWebベースの管理コンソールを介して、PowerCenterのワークフローをオーケストレーションすることで実現する。同社自身のクラウドサービス「Informatica Cloud」を含め、データパイプラインやワークフロー、可視性を提供する。ビッグデータ対応では、Hadoopが持つペタバイト規模のストレージに対応する。