Slack、Chatwork、Backlogなどのビジネスチャットが社内コミュニケーションツールとして導入が加速している。独立系ITコンサルティング・調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)は2018年12月20日、国内のビジネスチャット市場規模推移・予測を発表した。同市場の2017年度売上額は34億6000万円に達し、前年度比80.2%増の高成長を遂げている。
Slack、Chatwork、Backlog、Microsoft Teams、Salesforce Chatter、LINE WORKSなどのツールがビジネスチャットと呼ばれて、国内でも利用が広がっている。電子メールより手軽で、多人数でのリアルタイムコミュニケーションに適しているというビジネスチャットの特性に着目した企業が、社内のコミュニケーションツールとして活用している(関連記事:「Slack」を全社導入、社内コミュニケーションの活性化狙うヤフーの取り組み/NTTドコモ、プロジェクト管理ソフト「Backlog」を全社1万人規模で利用/DeNA、クックパッド、メルカリなどネット企業10社が社内ITを公開、Slackが大人気)。
広がりの背景として、ITRは、勤怠管理、スケジュール管理、設備・会議室の利用予約、資料共有、プロジェクトの進捗管理などの各種業務ツールとチャットボットを組み合わせて、業務システムのインタフェースやハブとして利用するケースを挙げている。
また、ITRによると、一部の先進的な企業ではコミュニケーションの傾向を分析・可視化し、従業員同士の人間関係の把握や業務適合判定、メンタルヘルスケアなど、人事や福利厚生に活用しようとする動きもあり、ビジネスチャットの適用範囲が広がっているという。
一方で同社は、ビジネスチャット市場の成長の足かせとなる要因として、「価格競争による製品・サービスの低価格化が進んでいるほか、製品の淘汰、コラボレーションスイートの一機能として提供されているものを利用する企業の増加など」を挙げる。これらのことから、同市場の2017~2022年度CAGR(年平均成長率)は32.3%、2020年度には100億円規模に達すると予測している(図1)。
図1:ビジネスチャット市場規模推移および予測(出典:ITR)調査結果について、ITR シニア・アナリストの舘野真人氏は次のようにコメントしている。「ビジネスチャットは、モバイルデバイスとの親和性の高さや情報発信における心理的な敷居の低さなどから、共通の目的を持つ小集団を中心に有力な情報共有ツールとして定着しつつある。また、一部のサービスはボットによる機能拡張が可能であり、人とシステムをつなぐハブとしての役割も果たすようになっている」
舘野氏によると、リモートワークに代表される柔軟な働き方が推進される中で、ビジネスチャットには関係者が一堂に会して知恵や意見を出し合う仮想的な場の創出も期待されているという。
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート「ITR Market View:ビジネスチャット市場2018」に詳細が掲載されている。
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