「VMwareのクラウド戦略を推進し、ここにハードウェアを提供する」――。Dell Technologies(EMCジャパン)は2019年6月28日、説明会を開き、同社のクラウド戦略について説明した。2019年下期には、クラウド運用基盤をハード/ソフト込みでオンプレミス環境に構築して運用するサービス「VMware Cloud on Dell EMC」を米VMwareが提供する予定である。
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米VMwareは、ハイブリッドクラウドを推進している。オンプレミスやパブリッククラウドを問わず、VMwareが提供する共通のクラウド運用ソフトを利用した複数のクラウド基盤を一元的に管理できるようにしている。Dell EMCは、こうしたVMwareのクラウド戦略に賛同している。
「VMwareのクラウド戦略を推進し、ここにハードウェアを提供する」――これがDell EMCのクラウド戦略だと、Dell Technologies(EMCジャパン)でアドバンスドテクノロジーソリューションズ事業部クラウドプラットフォームスペシャリストの吉田尚壮氏(写真1)は説明する。
Dell EMCは、クラウド戦略を支えるハードウェアとして、VMwareのクラウド運用ソフトを搭載したHCI(ハイパーコンバージドインフラ)製品「VxRAIL」を提供している。オンプレミス環境にVxRAILを導入することによって、VMwareのクラウド運用基盤が動作するプライベートクラウドを構築できる。
2019年下期には、VxRAILをオンプレミス環境に導入してプライベートクラウド環境をマネージド型で運用する“データセンターアズアサービス”が始まる(図1)。「VMware Cloud on Dell EMC」の名称で、VMwareが販売する予定である。クラウドのポータル画面から注文するだけで、データセンターや拠点などにVxRAILを導入できる。プライベートクラウドの運用はVMwareとDell EMCが担当する。
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Dell EMCでは今後、プライベートクラウド構築用のハードウェアとして、VxRAIL以外の選択肢も用意する。VxRAILのストレージはVMware vSANに限られるが、もっと性能が高いストレージを望むユーザーなどの需要に合わせて、ストレージの選択肢を広げたコンバージドインフラ(垂直統合システム)を用意する。さらに、サーバーやストレージ、スイッチなどを検証済みの構成のものから自由に組み合わせられる製品も提供する。