[新製品・サービス]
日立ソリューションズ、「秘文 Device Control」を強化、VPN接続時にインターネットブレイクアウトが可能に
2020年3月25日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
日立ソリューションズは2020年3月24日、クライアントPCやサーバー機においてネットワークアクセスなどを制御できるソフトウェア「秘文 Device Control」を強化したと発表した。2020年4月28日から販売する。新版では、会社にVPN接続した状態で、特定のSaaSアプリケーションについてはVPNを介さず直接アクセスできるようにした。テレワーク時のアクセス負荷を軽減する。
日立ソリューションズの「秘文 Device Control」は、デバイスの利用や接続先ネットワークの制御によって、機密情報の漏洩を防止するソフトウェアである(関連記事:「秘文」がマルウェア対策を強化、EXE/DLLのホワイトリスト実行や侵入経路の分析が可能に)。
管理対象となるエンドポイント(Windows機)に専用のエージェントソフトウェアを動作させて使う。管理サーバーの「秘文 Server」からマルウェアに感染したPCのエージェントに通知を出し、該当PCをネットワークから遮断する、といった運用ができる。
今回の新版では、インターネットブレイクアウト機能を搭載した(図1)。これにより、テレワーク環境において、会社へのVPN接続を介したネットワークアクセスと、特定のSaaS型クラウドサービスへの直接接続を両立できる。
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直接接続の対象となるクラウドサービスは、Office 365など、あらかじめ設定済みの7つのクラウドサービスを、サービス単位で設定できる。これらのサーバー情報が変更になった場合も、自動で追従する。また、URL(FQDN)を指定することで、任意のサーバーを指定できる。
選択できるクラウドサービスは、以下の通り。
- Office 365(グループウェア)
- Box(クラウドストレージ)
- Dropbox(クラウドストレージ)
- V-CUBEミーティング(ビデオ会議)
- トレンドマイクロActiveUpdate(ウイルス対策の更新)
- Windows Update(Windowsの更新)
- マカフィーAutoUpdate(ウイルス対策の更新)
製品提供の背景について同社は、テレワークにおいては、PCをVPN経由で社内LANに接続する運用が一般的になっている状況を挙げる。「しかし、社内LANを介したインターネットアクセスは、ネットワーク機器や帯域などに負荷がかかる。ネットワークのレスポンスが低下し、業務に影響が出る」(同社)。
こうした経緯から、信頼できる特定のクラウドサービスについては、VPNを介さずに直接インターネットにアクセスできるようにした。
価格(税別)は、パッケージ版(買取ライセンス)が1クライアントあたり1万円、サブスクリプション版(年間利用ライセンス)が1クラウアントあたり5000円。