[市場動向]
KDDIのデータセンターを結ぶ商用ネットワーク上で量子鍵配送によるデータ伝送に成功
2026年2月19日(木)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
KDDI、KDDI総合研究所、ノキアソリューションズ&ネットワークス、東芝デジタルソリューションズの4社は2026年2月18日、商用ネットワーク上で耐量子セキュリティ技術を用いてテラビット級の大容量データ伝送に成功したと発表した。量子鍵配送(QKD)と耐量子計算機暗号(PQC)の2種類を使い、57.6Tbpsのデータ伝送の実証を行っている。両技術を用いて商用網でテラビット級の伝送を行ったのは国内初としている。
KDDI、KDDI総合研究所、ノキアソリューションズ&ネットワークス、東芝デジタルソリューションズの4社は、KDDIのデータセンターを結ぶ商用ネットワークにおいて、耐量子セキュリティ技術を用いた大容量データ伝送の実証実験を行った。
取り組みの背景として、AIの普及に伴うデータ通信量の増加や、分散配置されるAIデータセンター間をつなぐ高速・大容量・高信頼なネットワークの必要性を挙げる。「量子コンピューターの進展により、現在広く利用されている暗号が将来的に危殆化(解読されて、機密性の維持に不可欠な暗号鍵や暗号アルゴリズムの安全性が損なわれること)リスクが指摘されており、サイバー攻撃が高度化する中で、ネットワークセキュリティの強化が急務になっている」(4社)。
実証実験は、KDDIの大阪堺データセンターと同市内のネットワークセンターを結ぶ商用ネットワーク上で、2026年1月26日に実施した。量子鍵配送(QKD)と耐量子計算機暗号(PQC)を使って配送した共通鍵による多層防御構成で、遅延の増加を招くことなく、57.6Tbpsの大容量データを伝送することに成功した(図1)。
図1:商用ネットワーク上での量子鍵配送によるデータ配送のイメージ(出典:KDDI、KDDI総合研究所、ノキアソリューションズ&ネットワークス、東芝デジタルソリューションズ)拡大画像表示
具体的な伝送方法として、大阪市内のネットワークセンターで生成した2種類の共通鍵(共通鍵暗号規格のAES用と、KDDI総合研究所が開発したRocca-S用)をそれぞれQKDとPQCで大阪堺データセンターへ配送した。
大阪堺データセンター側では、届いたRocca-S用の共通鍵を用いてデータを暗号化し、さらにAES用の共通鍵を用いて光伝送ネットワーク国際標準規格のOTN上で「OTNsec」による暗号化を施して伝送している。なお、57.6Tbpsの大容量データ伝送には、光ファイバーでの長距離・大容量通信に適したC帯とL帯を利用している。
こうして、物理層とアプリケーション層の複数のレイヤーでデータを暗号化する多層防御型ネットワークを構成した。金融機関や医療機関など高いセキュリティを求める専用線での利用や、AIデータセンター間の接続を主なユースケースとして想定している。
●Next:QKDとPQCの組み合わせが可能にする「高セキュリティ・大容量ネットワーク」
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