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[データマネジメント2021]

ルールとプロセス、統制でデータ資産の価値を継続的に向上! “データガバナンス”がDXの鍵に

2021年4月5日(月)

データの利活用に向け、各種ツールの導入の動きが広がっている。ただし、せっかく導入しながらも、ツールが使われなくなるケースも少なくない。その根本には、データ資産の価値を継続的に向上させる取り組みが不十分なことがある。一過性の取り組みでは、その後に起こる問題に柔軟に対応できないためだ。対応策となるのが、データマネジメント施策を確実に実行するためのルールと、ルールを守らせるプロセス、プロセスを徹底させる統制の3つから成るデータガバナンスだ。「データマネジメント2021」のセッションでは、Metafindコンサルティングでシニアコンサルタントを務める高橋章氏が、データガバナンスの実践法を披露した。

データ利活用に必要なデータマネジメント施策

 事業創出などを標榜し、デジタル変革(DX)への関心は高まる一方だ。その下準備として、データ資産の価値向上に取り組む動きが企業の間で広がっている。データ資産の価値向上とは、「データを使いやすくすること」と言い換えられ、下記の5つが代表的な取り組みとなる。

  • 必要なデータを集約する「統合化」
  • 形式や構造を統一する「標準化」
  • データを一覧化する「目録化」
  • データの欠損や異常を防ぐ「品質確保」
  • プライバシーや機密を侵害しない「法令遵守」
データ利活用に求められる要件と施策

 そのためのツールが、データの集約先となるデータ統合基盤や、複数ソースからデータを収集し変換するETLツール、データの仕様情報の目録となるデータカタログ、データ品質のチェックツール、データへのアクセスを制限するセキュリティツールなどだ。

 ただし、苦労してそれらのツールを導入したものの、使われなくなるケースも散見される。その理由について、「ツール導入が一時的なプロジェクトだからです」と、高橋章氏は指摘する。

「ツール導入のプロジェクトは一過性の取り組みであり、継続してデータの資産価値を向上させる活動ではありません。従って、ツール導入以前のデータ課題を解消できても、その後に起こる問題や課題には対応するのは難しいです。そして価値向上を継続できないとさまざまなリスクを抱えます。このリスクが表面化していくとツールの価値も薄れ、やがて使われなくなってしまうのです」(高橋氏)。

Metafindコンサルティング株式会社 シニアコンサルタント 高橋章氏

データマネジメントが継続しないと直面する5つのリスク

 データ資産の価値向上を継続的に実施できない場合、次の5つの典型的なリスクに直面することになると、高橋氏は述べる。

  1. 新たなデータが統合基盤に集まらず社内で分散してしまい、さらに分散したデータを収集するためのインターフェース連携が複雑化する
  2. データレイアウトが標準化されないことにより、分析時に都度レイアウトを揃える処理が必要になる
  3. データの仕様が登録されていない、また登録されていても古すぎることにより、データカタログの信頼性が低下する
  4. 不正確で誤ったデータが提供され、それに基づいて不適切な意思決定がされる
  5. 機密データが権限のない社員の利活用を通じて漏洩される

データガバナンスによって継続して適切にデータを管理する

 これらの5つのリスクに対する打開策がデータガバナンスである。データガバナンスとは、データが適切に管理されるためのルールを作り、そのルールを守らせるための仕組みと体制を作り、実際に守られているか監視・指導する活動だ。その具体的な中身は、前述した「統合化」「標準化」などの取り組みごとに異なるものになるという。

 例えば、統合化の観点におけるルールは「データ統合基盤は1つに限定し、データ活用時にはデータソースから独自インターフェースでデータを集めるのではなく、統合基盤のデータを活用する」となる。

 このルールを欠いては統合基盤へのデータの集約が進まず、現場で別の統合基盤が構築されかねない。また、そこまでいかなくても、現場がインターフェースを独自に用意することで、データソースから直接データを取得する仕組みを構築するケースが多くの企業で散見される。その場合にはせっかく整備した統合基盤の意義が失われてしまう。

 ただし、ルールを定めても社内に徹底させられなければ意味はない。そこで、守らせるためのプロセスを定義する。例えば、別の統合基盤が作られないように、全社のシステム開発計画を定期的に確認する。また、独自インターフェースが作られないように、インターフェースの要件定義や設計などのドキュメントをレビューする。

「そのうえで、システム開発計画確認の責任者として、複数部門に顔が利く業務ユーザを据える。インターフェースのレビュー責任者には、ソースデータに詳しい業務ユーザを任命する。彼らガバナンス責任者主導でルールを浸透させていき、ルールに沿わない新たな基盤整備やインターフェース設計が発見された場合には、指導し統制していく。これがデータ統合基盤のガバナンスとなります」(高橋氏)。

データ統合基盤の構築のガバナンス

 この他にも高橋氏は「標準化」「目録化」「品質確保」「法令遵守」それぞれのデータガバナンスについて詳しく解説し、最後に次のように語った。

「データが適切に管理されるために守るべきルールを作り、そのための仕組みや体制を作り、実施されているかを監視して統制する。データガバナンスはこの3つの要素から成ります。しかし、その導入は企業ごとに置かれた状況が異なることに加え、経験や知識も壁となり、時間を要しがちです。もしルールと体制の構築に迷われているなら、データマネジメント専門のコンサルティング会社である我々にぜひご相談ください」(高橋氏)。


●お問い合わせ先

Metafindコンサルティング株式会社
URL: https://metafind.jp/
TEL::03-4578-5961

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