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[データマネジメント2021]

データから価値を生み出せる企業になる! データドリブン経営を支えるDIKW+Vピラミッド

2021年4月7日(水)

海外では多くの企業がデータを経営に活用して利益を得るデータドリブン経営を成功させている。しかし、日本ではなかなか成果が出ない。それは何故なのか。「データマネジメント2021」のセッションに、インフォマティカ・ジャパンの森本卓也氏が登壇し、「国内外のデータマネジメントの最新潮流、事例から読み解くその成功要因とは?」と題して、ユーザー事例を基に、国内企業がデータドリブン経営を成功させるための要因を解説した。

国内でデータ経営に成功している企業は1割だけ

「データを経営に活用して利益を得る時代が来ている。海外では、業種や業界を問うことなく、多くの企業がデータドリブン経営に成功しています」──インフォマティカ・ジャパンの森本卓也氏は、データ活用の現況をこう説明する。

インフォマティカ・ジャパン センターオブエクセレンス部 ソリューションアーキテクト 森本卓也氏

 例えば、アパレル業界でカルバン・クラインなどの有名ブランドを展開するPVH社は、商品データ管理を高度化して2020年の売上を前年度比50%向上させた。食品流通業の大手であるKroger社は、Google Cloud上にデータマネジメント基盤を構築して在庫管理の自動化やオンタイムデリバリーを実現し、2020年のオンライン売上高を127%まで増やした。

 このように海外企業が成功を収める一方で、国内企業でデータドリブン経営を成功させている企業は、全体の約1割に過ぎない。「国内ユーザーも、BIツールやデータウェアハウスなどのデータマネジメントに取り組んではいます。しかし、なかなか効果に結び付いていません」と森本氏は指摘する。では、国内企業と日本企業とでは、いったい何が違うのか。

成功企業は正しいプロセスでデータを価値化している

 成功に至らない日本企業と、成功している海外企業との違いは、「データが価値につながっているかどうか」(森本氏)だという。データから価値を生み出す生成プロセスを、正しいステップで適切にデザインできているかどうかが異なるのだ。

 データから価値を生み出す生成プロセスのキーワードとして森本氏が挙げたのは「DIKW」(Data、Information、Knowledge、Wisdom)である。これらの要素の関係性を示したコンセプトがDIKWピラミッドであり、そこにValueを加えたのがDIKW+Vピラミッドである。

データから価値を生み出す生成プロセスを表現するDIKW+Vピラミッド
  • Data:それ単体では意味を成さない記号や信号
  • Information:Dataを組み合わせ、意味を持たせたもの
  • Knowledge:Informationを分析して体系化したもので、人に論理立てて教えることができるノウハウや知見
  • Wisdom:Knowledgeの中でも行動の理由となるもの
  • ValueWisdomを生かした行動によって得られた価値

 例えば、「7秒、3分」といった時間のみのデータは、何の意味も価値もない。ところが「小学生のオカノ君の陸上のタイムが50m走で7秒、800m走で3分」なら意味を持つ。Dataの組み合わせが、意味を持ったInformationになる。

「サッカーの日本代表になったオカノ君は、小学生の時に50m走で7秒、800m走を3分で走っていた」としたら、数値と事象の関係を論理立てて教えられるKnowledgeと言える。そのKnowledgeを活かし、「Jリーグ下部組織において、50m走で7秒、800m走で3分の走力を持つ小学生は合格させるという基準を作った」としたら、それはWisdomとなる。

 このように、DataをWisdomへと変化させ、WisdomからValue(価値)を生み出す一連の流れをインフォマティカでは「データドリブンジャーニー」と呼んでおり、これを明確にデザインしておくことが重要となる。

データドリブンジャーニー

飛行機の整備業務をAIが提案、Honeywellの先進事例

 データから価値を生み出した海外の先進事例の1つが、航空宇宙産業など向けに電子制御システムなどを提供するHoneywell社だ。同社は、データ活用の高度化によって、飛行機をメンテナンスする整備士の仕事を変えた。

 ITを使わない時代の航空整備士は、到着した飛行機に問題がないことを目視で確認し、部品交換の時期を手動で確かめていた。判断材料として、構成部品、製造年月、部品別の交換時期などのデータを利用していた。

 ITを使う時代になると、システムが整備士に対して、到着した飛行機の構成部品が交換時期を迎えていること、飛行場に部品があること、部品を交換するとフライトスケジュールの変更が必要になることなどを教えてくれるようになった。

 そして現在では、Honeywell社が提供するメンテナンス情報管理サービスが、AIが製品交換時期などを整備士に提案してくれるようになった。飛行機の稼働率や物流コストを最適化する形で、どの空港で部品を交換すべきかを提案する。例えば、現在の空港での交換を見送り、次の空港に交換部品を手配するといった意思決定ができるというわけだ。

 これにより、フライトの安全性を保ちながら、飛行機の稼働率向上や運行時間の安定化を実現し、顧客満足度の向上や収益の増加、ひいては管理コストの削減などにもつなげているのだ。

航空産業のデータドリブンジャーニー
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DWHやマスターデータ管理でデータを知識/価値に変換

 Honeywell社も以前は課題を抱えていた。データの品質は悪く、データはカタログ化されておらず、セルフサービスではデータにアクセスできなかった。これらの課題を解消すべく、インフォマティカの支援を受けて、包括的なデータマネジメントに着手した。

 インフォマティカの提案するデータマネジメントのプロセスは、大きく3つに分かれる。

  1. DataからInformationを「整備する」フェーズ
  2. InformationをKnowledgeへと「知識化する」フェーズ
  3. KnowledgeをWisdom、そしてValueへと「価値化する」フェーズ
データドリブン経営を支えるデータマネジメントのプロセス
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1. DataからInformationを「整備する」フェーズ

 企業が扱うあらゆるデータをクラウドデータウェアハウスやデータレイク上でつなぎ、各種の分析環境にデータを供給するシステムを用意する。ここで目指すべきアーキテクチャは下記のようなものだ。

「整備」フェーズで目指すアーキテクチャ
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2. Informationを「知識化」するフェーズ

 企業が保有する顧客データは多くの事業部やシステムに分散して管理されており、サイロ化されているケースが多い。分散している顧客データをつなぐために必要な要素が、マスターデータ管理である。

 マスターデータ管理を実現することで、サイロ化された顧客データを見渡すことが可能となり、顧客ごとの家族関係や趣味嗜好などのKnowledgeが得られる。これにより、顧客の趣味嗜好に沿った1on1マーケティングなどが可能になる。

マスターデータ管理によって実現される顧客の360°ビュー
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3. KnowledgeをValueにつなげて「価値化する」フェーズ

 企業内にデータだけでなく、データのまわりのビジネスの世界までを可視化する次世代のデータカタログを作りあげ、ビジネスに直結するデータ活用を促進していくフェーズ。さらに、InformationやKnowledgeを、ECサイトで買い物をするように、誰もが簡単に検索して入手できるようにする“データのショッピングモール”を構築することで、データ活用文化も醸成する。誰が、いつ、何の目的で、どのデータにアクセスしているかの証跡も残せるため、データ保護やプライバシー管理も同時に実現することができる。

次世代データカタログとデータのショッピングモール

 森本氏は最後に、「インフォマティカは、DXを成功に導くデータマネジメントに必要な5つの分野において、ガートナー社からトップリーダーの評価を得ています。各フェーズのデータマネジメントについて詳しく知りたい方、データドリブンジャーニーを実現したい方はぜひご相談ください」とアピールし、講演を終えた。


●お問い合わせ先

インフォマティカ・ジャパン株式会社
URL: http://www.informatica.com/jp/
TEL:03-6403-7600
E-mail:info-jp@informatica.com

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