データマネジメント データマネジメント記事一覧へ

[データマネジメント2022]

「ガイド付きNLQ」という新アプローチでBIツールの門戸を広げるYellowfin

2022年2月10日(木)

BIツール業界で近年ホットな話題の1つが、機械学習やAIを組み込んだデータ分析を行う「拡張アナリティクス」だ。その背景には、分析業務を効率化することで、真の意味で業務に役立つデータ活用を目指す狙いがある。そんななか、便利な拡張アナリティクス機能を次々に投入し、注目されているのが、BIプラットフォーム「Yellowfin」だ。2021年12月に提供を開始した「ガイド付きNLQ」を中心に、Yellowfinの狙いと強みを聞いた。

拡張アナリティクスのビジョナリー企業となったYellowfin

 100%WebベースのBIプラットフォーム「Yellowfin」を提供するYellowfin。2003年に既存のBI/アナリティクスツールに対する不満をきっかけに豪メルボルンで設立された同社は、「データを使ってビジネスを変革する」というテーマを掲げ、より多くのユーザーがデータに基づいたアクションを実行できるようにし、その結果として企業や組織の成長と変革に貢献することを目指している。

 同社は、「拡張アナリティクス」の分野で革新的な技術を次々と発表し、米GartnerのMagic Quadrant(Analytics & BI Platform部門)において2年連続で「ビジョナリー」に選出されるなど、グローバルでも高い評価を受けている。

 そんなYellowfinが会社設立当初から抱いていた不満は、既存のBIツールのコストの高さ、複雑さ、非効率性だった。システム基盤の構築や運用に手間と時間がかかり、使いこなすためにはスキルやノウハウが必要だった。また、分析で得られた結果をビジネスに適用しようとしても時間や手間がかかり、役に立っていないことも多かった。

 「もっと簡単に利用できるコストを抑えたBIツールを作ることはできないのか、という思いで創業されたのがYellowfinでした。創業当初は『BIを簡単に』をモットーに掲げていました。この精神は今も変わっていません」。そう話すのは、Yellowfin Japan 東アジア事業責任者 林勇吾氏だ。

Yellowfin Japan株式会社 東アジア事業責任者 林勇吾氏

 林氏によると、BI/アナリティクスは、Yellowfinの創業から大きく2つのステップを経て発展してきた。1つめは、2010年頃から大きなトレンドになった「セルフサービスBI」だ。データ解析の専門家だけでなく、エンドユーザーが気軽に自分のPCでデータを分析できるようになった。そして2つめが、2017年頃から多くのベンダーが取り組むようになった「拡張アナリティクス」だ。

 「機械学習やAI(人口知能)の技術を用いて、ユーザーにとって使いやすくデータに基づいたアクションをとるための仕組みが拡張アナリティクスです。現在は、この分野でさまざまなベンダーがしのぎを削っている状況にあります」(林氏)。

現場の業務の流れのなかにいかにデータ分析を組み込んでいくか

 拡張アナリティクスは、対象とするユーザー層や利用する技術などによっていくつかのアプローチに分かれる。例えば、専門分野に特化し、AIを駆使して、分析のエキスパートが利用しやすいツールとして提供するアプローチもあれば、業務部門の現場のエンドユーザーにフォーカスし、自らの業務のなかで利用するための機能を重視して開発するアプローチもある。

 Yellowfinが採用するアプローチは、現場のエンドユーザーを対象とし、データ分析から直接アクションにつなげるツールを提供することにある。

 「データ活用を担う現場のユーザーは、ITのリテラシーもスキルもさまざまです。営業やマーケティング、経理、生産現場、経営など、職種によっても求められるスキルやノウハウは異なります。Yellowfinでは、そうした現場の業務の流れのなかにいかにデータ分析を組み込んでいくかが重要だと考えています」(林氏)。

分析のエキスパートだけでなく、データを利用したビジネスユーザーがデータに関われるように

 現在のBIツール業界では、現場のデータリテラシーを向上させて、ツールを使い込むことができるデータ分析のエキスパートを育成しようという取り組みに向かうベンダーが少なくない。BIツールベンダーにとっては、豊富な機能を提供する自社製品を選択してもらいやすくなるというメリットがあるからだ。これに対し、Yellowfinが重視するのはあくまで「データ分析の現場への組み込み」である。

 「ツールを使い込んでもらうというよりも、皆さんが普段行なっている業務の流れのなかにデータ分析を組み込んでいくことで、日々の業務を直接的に改善できることが重要だと考えています。SQLやデータモデルなどの知識がまったくなくても、自分にかかわる分析ができることが理想です」(林氏)。

「ガイド付きNLQ」で使い勝手が大幅に向上

 Yellowfinのアプローチを最も的確に示す機能が、2021年12月にリリースされたバージョン9.7から備わった新機能「ガイド付きNLQ」だ。

 いわゆる「NLQ(Natural Language Query:自然言語クエリ)」は、SQLやドラッグ&ドロップでのデータ処理に代わって、誰かと会話をするような自然言語を用いて分析を行える機能だ。例えば、入力フォーム上で「今月の店舗別の売上高を表示して」などと入力することで、その文章をAIなどが解釈して、該当するデータソースからデータを抽出し、分析結果を表示してくれる。

 BIツールへの問い合わせの仕組みは、もともとエキスパート向けのデータベース言語「SQL」から始まり、初心者でも利用できるようにマウスによるドラッグ&ドロップ操作へ発展した。その後、NLQの登場によって、データソースやデータ項目なども意識することなく手軽に分析できるようになった。ただ、林氏によると、従来のNLQには課題もあるという。

 「NLQのベースとなる技術は『検索』です。このため、やや複雑な条件のクエリを発行しようとすると、一連のフレーズだけでは表現しにくくなります。そうなると、目的の分析を行うためにはさらにクエリを組み合わせなければならず、せっかくの手軽さが犠牲になってしまいます。また、文章の処理には機械学習やAIを用いるため、そのエンジンに解釈させるための辞書や学習期間が必要で、思わぬ労力がかかり、現場での活用につながりにくくなってしまいます」(林氏)。

 YellowfinではNLQの抱えるこれらの課題を解決すべく模索した結果、「ガイド付きNLQ」という新しいインタフェースにたどり着いた。

 ガイド付きNLQでは、入力フォームにキーワードを入力するたびに、実施する操作や、データ項目、時期、対象データなどの入力を補完するガイドが表示される。そのガイドに沿って、項目を選択したり、文章やデータを追加したりするだけで、誰でも簡単に自分の望む分析が実施できるようになるのだ。

 例えば、ガイド付きNLQの入力フォームをクリックすると、「表示」「数える」「比較」「差異」などの候補が表示される。ここで「表示」を選択すると「売上」「単価」「販売総数」などのデータ項目が表示される。さらに、売上を選択すると、比較する「時期」の候補が現れ、それらを指定するだけで、結果が表示される。

表示されるガイドに沿って直観的に選択・入力をするだけで分析内容を設定できる

 このとき、入力フォーム欄には「2019/01/01 - 2020/12/31(注文日)の売上(合計)を表示する。製品カテゴリーごとに」など、自動的に必要な文章が補完されて表示される。もちろんこれらは後からでも自由に変更できる。変更したい項目をクリックすれば候補が表示され、ガイドにしたがって選択していくだけで新たなクエリを作ることができる。SQLで行なっている処理を、ガイドをもとにマウスクリックと自然文入力で処理していると考えるとわかりやすいかもしれない。

 こうして、複雑な条件やサブクエリを含む問い合わせなどを、ガイドを参考に簡単に作り上げられるというわけだ。

 「BIツールを使ったことがない、もちろんSQL構文なんてまったく知らないという現場ユーザーでも、直感的にデータベースへの問い合わせができます。もちろん、ガイド付きNLQは豊富な知識を持つデータアナリストにとっても有益な機能です。例えば、これまでは急いでも15分はかかっていたような分析作業が、ざっくり30秒で行えるようなことも珍しくありません」(林氏)。

求める分析結果まで短時間でたどり着くことができる

 分析の組み合わせはあらかじめYellowfinのプラットフォームに数千パターンが組み込まれている。また、データ項目は自動的にデータベースから吸い上げてくれる。そのため、時間のかかる学習や準備作業も必要なく、ただガイド付きNLQの利用設定を行うだけで利用開始できるのも嬉しいところだろう。

豊富な拡張アナリティクス機能を提供

 Yellowfinは、ガイド付きNLQのほかにも、ユーザーの生産性を高め、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する豊富な機能を備えている。

  • データをリアルタイムに表示でき、対話的な操作が可能な「ダッシュボード
  • ダッシュボードの自由なデザインを可能にする「ダッシュボードキャンバス
  • ダッシュボード上でコードを利用できる「コードウィジェット
  • 1クリックでさまざまな操作を自動化できる「アクションボタン
  • 決められた時系列データをモニタリングし、データの重要な変更を自動的に検出して通知する「シグナル
  • 数値の背景となる文脈を共有できるようにビジネスの背景を説明する「ストーリー
  • クリック操作や質問への回答だけで適切な答えを提供する「インサイト

 また、Yellowfinは、企業情報システム向けのBIツールとして利用できるだけでなく、他のアプリケーションにBI機能を付加する“組み込みBI”としての使い方も可能だ。組み込みBIも含めた活用事例やYellowfinの最新状況については、2022年3月10日(木)に開催されるオンラインイベント「データマネジメント2022~データを制するものがDXを制す!~」のYellowfinのセッションで詳しく解説される予定だ。興味のある方はぜひ登録・視聴いただきたい。


●お問い合わせ先

Yellowfin Japan株式会社

所在地:東京都中央区日本橋小網町11番8号
URL:https://yellowfin.co.jp
Email:sales.jp@yellowfin.bi
Tel 03-6667-0282

バックナンバー
データマネジメント2022一覧へ
関連記事

Special

-PR-

「ガイド付きNLQ」という新アプローチでBIツールの門戸を広げるYellowfinBIツール業界で近年ホットな話題の1つが、機械学習やAIを組み込んだデータ分析を行う「拡張アナリティクス」だ。その背景には、分析業務を効率化することで、真の意味で業務に役立つデータ活用を目指す狙いがある。そんななか、便利な拡張アナリティクス機能を次々に投入し、注目されているのが、BIプラットフォーム「Yellowfin」だ。2021年12月に提供を開始した「ガイド付きNLQ」を中心に、Yellowfinの狙いと強みを聞いた。

PAGE TOP