インターネットイニシアティブ(IIJ)は2022年8月1日、「情シス人材に関するアンケート」の結果を発表した。IIJが同年6月に情報システム部門従事者を対象に実施したインターネットによるアンケート調査の結果である。これによると、情報システム部門の人材について「豊富な経験を持った人材が足りない」(472/808)、「若手の人材が足りない」(340/808)と感じる担当者が多かった。また、従業員数3000人以下の企業では「情報システム部門への新卒配属がない」という回答が半数を超えた。
IIJは、国内の情報システム部門従事者を対象に「情シス人材に関するアンケート」を実施した(図1)。2022年6月にインターネットで調査を実施し、808件の回答を得た。調査の背景についてIIJは「過去に実施したいくつかの調査の結果から、多くの企業が人材の確保や育成に課題を抱えていることが分かったため、より詳細な実態と具体的な課題、対応策などを調べた」としている。
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今回の調査によると、情報システム部門の人材について「豊富な経験を持った人材が足りない」(808件中472票)、「若手の人材が足りない」(808件中340票)と感じる担当者が多かった。最も票を集めた「豊富な経験を持った人材が足りない」という課題は、企業の規模を問わず、あらゆる規模の会社に共通していた。
一方、2位の「若手の人材が足りない」という課題は、企業規模が小さいほど得票率が高い傾向があった。実際に、新卒の配属率は企業規模と一致している。新卒が「配属されなかった」との回答は、従業員1万人を超える規模では20%強しかないのに対して、従業員3000人以下では半数を超えている。調査対象808件の全件でも「配属されなかった」が57.8%と過半数を占める。
中途採用を実施しても、「十分な応募量がある(あった)」と回答したのは13.2%にとどまった。「応募がほとんどない(なかった)」と「応募が全くない(なかった)」を合わせると38.3%になる。企業規模が小さいほど応募がない傾向がある。応募がほとんどないか全くないケースは、従業員1万人を超える企業では10%強であるのに対して、従業員100人未満では約60%を占める。
人材の獲得にあたって改善したいポイントでは、「自社の給与、待遇条件」(808件中397票)がトップである。一方で、人材確保のための施策では「特に行っていない」(808件中357票)がトップで、「社内他部門からの異動推進」(808件中238票)が2位である。企業規模が小さいほど、人材確保のための施策について「特に行っていない」率が高い。
なお、IIJは、今回の調査結果をまとめた全19ページのPDF資料を公開している。