インターネットイニシアティブ(IIJ)は2022年8月30日、SASEサービス群「IIJセキュアアクセスサービス」を発表した。同年9月1日から提供する。WebゲートウェイやリモートアクセスなどSASEに求められるセキュリティ機能群をクラウド型で提供する。特徴は、IIJが内製で開発し、機能や価格体系などをシンプルにしたことである。国内データセンターでの提供や最小構成50ユーザーの小規模導入など、既存のSASE製品が抱える課題を解消したとしている。価格(税別)は、初期費用が55万円で、最小構成で1ユーザーあたり月額580円(50人の最小ユーザーで月額2万9000円)。
IIJの「IIJセキュアアクセスサービス」は、SASE(Secure Access Service Edge)サービス群である。WebゲートウェイやリモートアクセスなどSASEに求められるセキュリティ機能群をクラウド型で提供する(図1)。
特徴は、IIJが内製で開発し、機能や価格体系などをシンプルにしたことである。必要な機能を選んで契約できる。国内データセンターでの提供や、最小構成50ユーザーの小規模導入など、既存のSASE製品が抱える課題を解消したとしている。
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メニューと価格(税別)は、表1の通りである。基本費用は1ユーザーあたり月額360円。これに、セキュリティ機能(ゲートウェイ機能)から1つ以上の機能、ネットワーク機能(リモートアクセスと拠点接続)から1つ以上の機能を組み合わせて契約する。最小構成時の価格は、1ユーザーあたり月額580円である(基本費用+ファイアウォール:タイプ1+リモートコネクトの場合)。
サービス品目 | 価格(税別) | 概要 |
---|---|---|
初期費用 | 55万円 | 初期費用 |
専用IPアドレスオプション | 20万円 | 初期費用 |
IIJセキュアアクセスサービス | 1ユーザー月額360円 | 基本費用 |
セキュリティ機能 | ||
Webゲートウェイ | 1ユーザー月額410円 | Webプロキシ(アクセス制御、ウイルス対策、URLフィルタリング、HTTP検閲など) |
ファイアウォール:タイプ1 | 1ユーザー月額100円 | ルーター相当(IPアドレスやポート番号によるアクセス制御、経路制御) |
ファイアウォール:タイプ2 | 1ユーザー月額270円 | UTM相当(FortiGateの仮想アプライアンスを利用)(2023年1月提供予定) |
ネットワーク機能 | ||
リモートコネクト | 1ユーザー月額120円 | エージェントソフトウェアを導入したWindows PC(今後、モバイル対応予定)からのリモートアクセス |
プライベートコネクト | 拠点あたり月額4万円 | IIJのバックボーンを介した拠点接続 |
SOCオプション | ||
IIJ C-SOCサービス(ISA連携) | 月額6万円 | SOCのアウトソーシング(基本費用) |
Webゲートウェイなど | Webゲートウェイの場合、1ユーザー120円 | 監視対象ごとのSOC費用 |
セキュリティ運用をアウトソースしたいユーザーに向けては、ログを分析してインシデントに対処する「IIJ C-SOCサービス」との連携機能も用意した。「IIJセキュアアクセスサービス」と「IIJ C-SOCサービス」を合わせて利用することで、セキュリティログの集約・分析、インシデント発生時の初動対応までをIIJに任せられる。IIJ C-SOCサービスの価格は、初期費が12万円、月額費用が基本料金6万円+監視対象ごとの費用(Webゲートウェイが1ユーザーあたり月額120円など)。
今後、リモートコネクト機能の拡張や、CASB(クラウドサービス利用状況の可視化・制御)との連携、ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)機能の追加など、機能の拡充を進める。