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荒川下流河川事務所、電話の問い合わせにボイスボットが音声応答するAIコールセンターを開設

コールセンター基盤に「Amazon Connect」を採用

2025年1月27日(月)IT Leaders編集部

国土交通省関東地方整備局の荒川下流河川事務所(東京都北区)は、ボイスボットを採用したAIコールセンターを開設した。AWSジャパンのクラウド型コールセンター「Amazon Connect」とTISのチャットボット「Dialog Play」で構築した仕組みにより、電話の問い合わせに対してAIが24時間365日音声で回答する。TISが2025年1月24日に発表した。

 国土交通省関東地方整備局の荒川下流河川事務所は、埼玉県・東京都を流れて東京湾へつながる荒川の下流部約30kmの河川管理を担っている。首都圏を大規模水害から守るため、ハードとソフトの両面で堤防の整備・強化、震災対策などに取り組んでいる。

 同事務所の小名木川出張所(東京都江東区)は、河川巡視や工事監督などの業務を請け負っており、ウェアラブルカメラで映像を伝送する河川巡視や、3Dを活用したデジタル河川管内図などで工事進捗管理を行っている。

 こうした取り組みをはじめとしたデジタル化施策の1つに、住民などからの問い合わせに応対する窓口業務がある。2023年には、同事務所の公式サイト上にチャットボットを設置し、PCやスマートフォンからの問い合わせに自動対応する仕組みを整えている。住民の質問にテキストで回答するほか、河川のライブカメラ映像や水位情報へのリンクを提供している。

図1:荒川下流河川事務所が導入した、電話での問い合わせに対してAIが音声で回答するボイスボットの概要(出典:TIS)
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 今回、チャットボットに続き、電話での問い合わせに対してAIが音声で応対するボイスボットを導入し、2024年5月に稼働を開始した。TISが、AWSジャパンのクラウド型コールセンター「Amazon Connect」とTISのチャットボット「Dialog Play」でボイスボットの仕組みを構築している(図1)。

 同事務所の代表番号にかかってきた電話をAmazon Connectに転送し、自然言語処理技術でテキストデータ化する。それをDialog PlayがAIで文脈を解析し、準備したシナリオから適切なものを音声合成技術で読み上げる。ボイスボットに電話を転送する仕組みは、新規取得した外線番号をAmazon Connectに割り当てて、代表番号への着信をボイスワープで転送している。

 会話のシナリオは、既存のチャットボットで使っているFAQを流用し、問い合わせの中で頻度が高い約50項目をボイスボットで回答するようにしている。また、発信者の音声を正確に聞き取るためのチューニングを行い、ボリュームの最適化や音程調整などの精度を高めている。

 ボイスボットの運用にあたって同事務所は、災害時などに備えて、緊急時には担当者に電話を転送する有人対応で運用する体制を整えている。

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