[市場動向]
AIでアプリ/サービスの自動化を極める─サイボウズ、ディップ、フリーの取り組み
2025年7月31日(木)IT Leaders編集部、日川 佳三
アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は2025年7月30日、説明会を開き、生成AIプラットフォーム「Amazon Bedrock」を自社サービスに組み込んだITベンダーの事例を紹介した。サイボウズは「kintone」に「kintone」にAI検索/アプリ作成支援機能を追加、ディップは求人原稿審査をAIで自動化する「スポットバイトル」を構築、フリーは「freee」に経費処理を自動化するAIエージェントを追加している。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は、生成AIプラットフォーム「Amazon Bedrock」を自社のサービスに組み込んだITベンダーの事例として、サイボウズ、ディップ、フリーの3社を紹介した。3社の担当者が登壇し、取り組みを説明した。
「kintone」にAI検索/アプリ作成支援機能を追加
サイボウズは、ローコード開発ツール「kintone」の生成AI機能を開発・提供する基盤としてBedrockを利用している。ユーザーはAI機能のベータ版を「kintone AIラボ」から利用できる。現在、「検索AI」「アプリ作成AI」「プロセス管理AI」の3つを提供しており、今後追加していく(図1)。

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検索AIは、ユーザーがkintoneのチャットで質問すると、業務マニュアルや社内FAQ(よくある質問と回答)など、kintoneで管理しているデータを利用して適切な回答を生成する。
アプリ作成AIは、作成したいアプリケーションの仕様が固まっていなくても、生成AIと会話することでAIが要件を抽出し、アプリケーション名や扱うべきデータ項目などを提案する。提案内容からワンクリックでデータ入力フォームを生成する。また、プロセス管理AIは、業務プロセスのワークフローを設計する。
求人原稿審査をAIで自動化する「スポットバイトル」
ディップは、スキマ時間で働けるスポットワーク(単発アルバイト)の求人マッチングサービス「スポットバイトル」の求人原稿審査にAIを適用している。以前よりBedrockを利用しているが、不適切な仕事、原稿内の差別表現、紹介NG職種などは手動で審査していたという。現在、これらの作業を自動化するアプリケーションを構築している(図2)。

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同社では、作成済みの求人原稿をAIで分析して問題表現を検出し、検出結果をデータベースに格納し、BIクラウドサービスの「Amazon QuickSight」で結果を可視化している。今後は、求人作成・変更時にリアルタイムに審査がなされるよう、求人作成時の画面にAIを統合する。さらに、問題のある表現の入出力を停止するAIガードレール機能や、報酬や業務内容が不明瞭な求人をスコア化して分類する機能を追加する予定である。
●Next:「freee」に経費処理を自動化するAIエージェントを追加
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