[新製品・サービス]
NEC、製造業の部品調達交渉を自動化する「調達交渉AIエージェント」のSIを提供
2025年12月4日(木)IT Leaders編集部、日川 佳三
NECは2025年12月2日、SIサービス「NEC 調達交渉AIエージェントサービス」を同月提供すると発表した。製造業の調達業務において、最良の取引条件を自律的に生成し、サプライヤーと交渉する。検証では、購買側の担当者が介在しない、AIの交渉のみで合意に至った割合が95%に達し、数時間から数日を要するような交渉を約80秒に短縮できることを確認したという。料金(税別)は年額3600万円から(別途初期費用が必要)。販売目標は今後5年間で100社。
NECの「NEC 調達交渉AIエージェントサービス」は、製造業の調達業務において最良の取引条件を自律的に生成し、サプライヤーと交渉するAIエージェントのSIサービスである。利用のためのシステムを構築・提供する。サプライヤーとの納期・数量調整交渉をAIが代行することで、それに費やす時間を減らせるほか、需要変動に対して迅速に対応可能になるとしている(図1)。
図1:製造業の部品調達交渉をAIが代行する「NEC 調達交渉AIエージェントサービス」の概要(出典:NEC) NECが開発した「自動交渉AI」を利用する。在庫を最適化するための納期・数量調整が必要なオーダーを自動で検出して交渉案を生成。AIエージェントを介して取引先に交渉案を提示し、インタラクティブに交渉する。ERPなど各種既存システムと連携することで、調達業務をワンストップ化することも可能である。
提供に先立って、2024年11月にNECのグループ会社で検証を行っている。約1300品目にあたる部品調達において、取引先との納期・数量の調整を自動化。購買側の担当者が介在せずにAIエージェントの交渉のみで合意に至る「自動合意達成率」は95%に達したという。通常数時間から数日を要する交渉開始から完了までの調整時間を約80秒に短縮できることを確認した(関連記事:NEC、購買部品の納期調整を「交渉AI」で自動化、グループ会社の日本全国拠点で検証)。
「昨今の製造業は、人材不足などを背景に予期しない需要の増減に対し、生産体制や調達計画を迅速に最適化する対応力が不足している。部品や原材料の納期や数量調整は生産計画に直結し、販売機会の損失にもつながりかねない。しかしながら交渉に多大な時間がかかることから、多くの品目について十分な調整が行き届いていない」(NEC)。製造業のこうした課題に対し、調達交渉AIエージェントが支援するとしている。
料金(税別)は年額3600万円から(別途初期費用が必要)。NECは販売目標として、今後5年間で100社を掲げる。

































