[市場動向]
600km離れた拠点間をAPNで結んだ分散AI学習、ローカル比86%の性能─ネットワンとNTT西日本
2026年1月14日(水)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
ネットワンシステムズとNTT西日本は2026年1月13日、約600km離れた大阪-福岡間をAPN(全光ネットワーク)で接続した分散クラスタのAI基盤において、ロボティクスオートメーションのための分散AI学習の実証実験に成功したと発表した。遠距離の拠点間で自律型協働ロボットの遠隔推論動作が安定して実行できることを確認したほか、分散学習においてローカル環境比で約86%の処理能力を達成している。
ネットワンシステムズとNTT西日本は、約600km離れた拠点間を、APN(All-Photonics Network:全光ネットワーク)で接続した分散クラスタのAI基盤において、ロボティクスオートメーションのための分散AI学習の実証実験を行った。実証期間は2025年8月27日~11月18日で、NTT西日本が運営する大阪府大阪市の京橋、堂島および福岡県福岡市の3拠点をNTTグループの「IOWN APN」で結んでいる。
両社は取り組みの背景として、労働人口の減少により、製造や物流、医療などの現場でAI協働ロボットや自律化技術を活用した「次世代オートメーション」への期待が高まっていることを挙げる。一方、高度な自律システムの実装には大量のデータ処理が必須で、遅延や帯域の問題から各拠点に高性能なGPU端末を配置する必要がある。その管理負荷や消費電力、コストの増大が課題となっている」という。
図1:ロボットの模倣学習をAPN接続の分散データセンターで行う実証実験の概要(出典:ネットワンシステムズ、NTT西日本)拡大画像表示
今回の実証実験では、低遅延・大容量・高安定性を特徴とするAPNと、分散クラスタ型AI基盤を組み合わせることで、上記の課題解決を目指した。実証環境として、京橋、堂島、福岡の3拠点のGPUノードをIOWN APNで接続し、分散データセンターを構成。この環境下で「自律型協働ロボティクスの模倣動作によるモデル学習」と「遠隔推論」の検証を行った(図1)。
約600km離れた拠点を含む3拠点のGPUノードを活用した分散学習においては、ネットワーク遅延に対するチューニングを実施。その結果、ローカルデータセンター環境と比較して約86%の処理能力(学習時間:約1.17倍)を達成した。これにより、ロボットの模倣学習において、遠距離のデータセンター間であっても複数のGPUを同時に利用し、リソースを効率的に活用できる可能性を確認した。
●Next:APN経由の遠隔推論がインターネット疑似環境を上回る
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