重要性高まる「マーケティングIT」IT部門の実力を社内にアピール
2009年7月29日(水)CIO INSIGHT
米企業を取り巻くIT事情の「今」を伝えるCIO INSIGHT。今回はその中から2本の記事を取り上げる。1本目は、IT部門が自らを“マーケティング”するという、一風変わった手法を取り上げた記事。社内にIT部門の実態を正しく伝えることで、社内からの信頼感を向上できるほか、能力や実態を無視した社内からの無理な要求を減らせると説く。続く2本目の記事は、米国における電子メール管理の現状に関するものだ。eディスカバリーなどの法律により、電子情報の蓄積や迅速な収集が求められる米企業。メールは最も身近で頻繁に使うツールだからこそ、あらためて管理を見直すべきだと主張する。(翻訳 : 古村 浩三)
最近、CIOやIT部門の人から“マーケティングIT”という言葉を聞くようになった。一言で言うと「IT部門の価値を広く社内に知らしめる」こと。日頃は裏方に徹しがちで実態がつかみにくいIT部門の役割を、IT部門自らがあらためて周知していこうという取り組みだ。
マーケティングという言葉については、あまりに多くの誤解がある。CIOにマーケティングの定義を尋ねれば三人三様の答えが返ってくる。同じ単語内に「マーケティング」と「IT」という文字が並んでいることに、違和感を感じるCIOも多いことだろう。
CIO INSIGHTは、ITコンサルティング会社である米ウェレット&アソシエイツのダン・ロバート社長にインタビューし、マーケティングITにまつわる疑問をQ&A方式でまとめた。CIOがIT部門の能力を“マーケティング”することによって得られる恩恵や、それを得るための方策を探っていこう。
Q1. そもそも“マーケティングIT”とは何か?
A1. まず何がマーケティングではないのかを確認しておこう。マーケティングは物を売ることではない。人の目をごまかすことでもなければ、事実を脚色して気をひくことでもない。当然、身の丈以上の印象を周囲に与えたり、自画自賛するものでもない。
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